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OffTime6月号 皆川クリニック病院訪問レポート

皆川クリニック

病院訪問レポート-2
町医者として“人”を診る―
地域医療の一隅を照らしたい。
00_top_院長先生 「よそ行きでなく普段着の心で来ていただけるように、真心込めて、温かな医療を心掛けています」。
地下鉄「室見駅」より徒歩10分。
閑静な住宅街に建ち、丸みのあるフォルムとやわらかなクリーム色の外観が目印の「皆川クリニック」。
内科・胃腸科・小児科を標榜し、平成2年の開業以来、”赤ちゃんから超高齢者まで“幅広い世代の患者さんが訪れ、かかりつけ医として地域の信頼を集める同院について、院長の皆川先生にお話を伺いました。

求められるのは何か

日々、重視するのは「患者さんのQOLの維持・向上を手助けすること」、最低限のラインとして「見逃しをしないこと」です。
検査だけしてほしい、薬を出してほしい、など患者さん一人ひとりの求めを汲み、応えることにも注力しています。
内科医・内視鏡の専門医として、経験を生かした検査、診断、治療、経過観察を行うのはもちろん、生活習慣病など診られる範囲の疾患は診て、他は専門医や治療のできる病院を紹介します。
また、予防接種や学校検診等も行っています。
なかには病気でなくても症状を抱え、「話をしたら治まった」とストレス社会における現代病のようなケースもあり、町医者としては、不安を訴える患者さんに出来る限り応えたいという気持ちです。

地域ぐるみの医療を

病診連携に関しては、早良区は病院が充実していて、不自由を感じたことはありません。
いよいよ緊急の時は、電話一本で快く患者さんを受け入れてくださる先生もいて、非常に感謝しています。
当院は日曜も午前中は開けているので、冬場などに「今日は待ち時間が長いから」と逆紹介で、前原や糸島方面から患者さんが来院されることもあります。

胸に残る医者の務め

また、かかりつけ医として「全人的に診る」ことも大切にしています。
忘れられないのが、開業したての頃に診た女性の患者さん。
全身にがんが転移していてかなり悪い方でしたが、当院を「きのこのおうち」と呼んで気に入っていただいておりました。
いよいよ悪くなり、往診に行った時にご家族から「家ではもうみきれないので緩和ケア病院へ入れます」と伺いまして。
何度かお見舞いに行ったのですが、ある日「先生に診てもらってよかった」と言われましてね。
ああ、こんなことがあるのかと打たれました。
男性の患者さんで「悔いはありません」といわれた方もいて、医者という仕事を深く考えたのが今も続いています。

”頼みの綱“を喜んで

今後について、特に崇高な目標は思い浮かびませんが(笑)。
今のまま、町医者として来ていただく患者さんやご家族に気さくに、身近に寄り添い、院長としてはスタッフの自主性に任せ、風通しのよい環境をつくりながら、これからも体の続く限り、街で役に立てると嬉しいと思います。
01_左上内観
天井が高く、楕円形の空間に心和らぐ待合室。
受付横には赤ちゃんベッドが。
02_右上内視鏡
内視鏡検査室。
静脈麻酔(鎮静剤)等を使い、より苦痛の少ない検査を実施。
byoin
院内にはあちこちに絵が。
話のきっかけやリラックス効果に一役買っている。
04_広報物
地域連携の一環として、さまざまな広報物を設置・配布。
情報発信の役割も。

~Q&A/開業までの歩みと現在~

●医師を志したきっかけを教えてください。
高校時代は美術部で、顧問の先生にデッサンを絶賛され「絵描きになりたい」と開業医の父に相談したとき「たとえ200年に一度の才能があったとして、ゴッホのような人生を生きられるのか」と問われ、勧められるままに医者を目指しました。
しかし、時すでに3年生の夏。とうてい受験に間に合うはずもなく、少々回り道をしました(笑)。
●内科を志した理由は何ですか?
父は外科医でしたが、いずれ開業するならこれからの時代は内科医がいいという助言です。
●医学部をご卒業後は?
卒業する年に父が亡くなり、福岡へ戻りました。
兄の紹介で久留米大学第2内科医局へ入局し、その後、大牟田市立病院勤務、社会保険田川病院内科医長、小石原診療所院長を経て、現在に至ります。
●開業のエピソードを教えてください。
住まいから15分以内で探して、ここへ決めました。
右も左もわからん状態でしたが、医療の世界は意外に狭く、知り合いに「ここに来たと〜」と声掛けてもらい、患者さんを紹介してもらったりして助けられました。
●現在の悩みは?
悩みというほどではありませんが(笑)。
開業するときに友人の開業医が「日曜も半日開けている」と聞き、「どうせ昼まで寝ているし、開けてもいいかな」と日曜診療を始めたのが、今では随分知られて、やめられなくなりました。
苦にはならないものの、スタッフ採用 際に”日曜日勤務できる方”となるのが多少制約ですね。
●最後にひとこと
相性もあるので、患者さんに無理強いや囲い込みはしません。
患者さん第一で、患者さんにとっていいように、来院される方は診て、必要があればすぐ紹介するのがモットーです。

◆取材協力 皆川クリニック

05_外観
住 所 /福岡市早良区南庄6-10-15
T E L /092-823-0855
院 長 /皆川 和男
診 療 科 /内科・胃腸科・小児科
主要設備 /胸部レントゲン、消化管透視撮影装置、腹部エコー、電子内視鏡、心電図、低周波治療器、マッサージベッド、遠赤外線治療機
病診連携 /福岡市医師会成人病センター、国立病院機構九州医療センター、国 家公務員共済組合連合会浜の町病院、社会医療法人財団白十字会 白十字病院、福岡県済生会福岡総合病院 他
診療受付 /(午前)9:00~12:00/(午後)14:00~18:00 ※ 土曜日は午後~16:30、日曜日は午前のみ
休 診 日 / 木曜日・祝祭日
H P / http://www.minagawa-clinic.jp/

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