Off Time編集部オススメ まちかど口福探訪
歩いてみれば、今まで気づかなかった美味しいお店と巡り合う。
そんなささやかな外食の愉しみ。
つどい
新長浜横丁の酒場で味わう滋味豊かな、あさりそば
目印は“あさりそば”の提灯だ。
もと喫茶店の名を受け継ぎ、角打ちと中華そば屋をミックスさせた手軽な「つどい」を営むのは、店主の葉山さん。
印刷業、マッサージ業などを経て、友人の店で中華そばの修行をした後、独立。
「人に歴史ありですねえ、ふふふ」と葉山さんがほほえんでいる。
長浜市場で仕入れる熊本産アサリで作るあさりそばは、福岡ではめずらしい全粒粉の平打ち麺。
スープは、「鶏ガラと海鮮の一本炊き」。
寸胴で5時間、白濁させない澄んだスープをとるのは容易ではない。
化学調味料などを一切使用しない滋味深い味に唸っていると、「アサリを酒蒸しした汁をレンゲ一杯分入れるんですけど、それかな」とニコッ。
年季の入った店なのに隅々まで清々しい空気が満ちているのは、葉山さんの日々の清掃の賜物。
通うたびに発見がある、一人でも大勢でもつどえる店である。
平麺そばは、「あさりそば」(6 0 0円)、「ギュウそば」(600円)、「四次元そば」(700円)
などその日の体調と気分で選ぼう。
Add/福岡市中央区長浜2-4 Tel/092-713-8177
Open/12:00~14:00、19:00~24:00(スープがなくなり次第、終了)
定休日/日曜日
レコード聴いたりしてます(店主)。
鮨 塚本
江戸前鮨で知られる人気の店が小倉駅コレットそば、珈琲豆屋の隣に移転
前に「Off Time」で取材した鍛冶町の店から米町へと移転し、今年9月に新装オープンしたばかり。
とはいえ、真新しい仕事着に身を包み、カウンターに立つ店主の塚本さんに気負いは感じられない。
「初心に返ったようでしょう?」というこちらの誘導質問にも「前と何も変えていませんし、いつも通りですけど、そう答えた方がいいんですかね」と、にこやかながらもどこ吹く風。
さっそく江戸前鮨を握っていただいた。
ほんのり桃色に色づいた桜鯛の昆布締めは、噛むほどに濃厚な甘さが広がり、筋をていねいにとったとろはシャリと一体化し、とけてい
くよう。
純白で肉厚な墨いかの握りを口に入れれば、ああ、口福。
充実の仕事ぶりは健在である。
塚本さんは、普段からジムに通って心身を鍛え、健康管理を怠らないという。
日々の研鑽がこの変わらぬ美味を生み出すのだなと感じた二度目の取材であった。
Add/北九州市小倉北区米町1-2-6 Tel/093-512-1915
Open/17:30~23:00 定休日/日曜日、祝日の月曜日
※昼は、予約をすれば一組からでも可
平日はゴルフとジム、休日は家族団らん(店主)。
a table Takumi( ア・ターブル・タクミ)
旬の厳選素材に情熱と技が結集!五感で味わう喜びのひととき
長府在住の友人が推薦するとっておきの洋食店がこちら。
オーナーシェフの広瀬巧さんは北海道生まれ千葉育ち。
東京でシェフを務め、31歳で渡仏。
2013年3月に海と山に恵まれたこの地を気に入り店を開業した。
食材を大切に思うシェフは、お肉やお魚は地元下関のお店や市場から買い付け、野菜は菊川の信頼関係にある農家より直接仕入れている。
減農薬の旬野菜をふんだんに使った前菜は、旨みと風味が豊かで野菜好きに大好評だ!
イタリアンとフレンチを“巧”に融合させた程良く食べ応えのある肉料理、魚料理は繊細かつ大胆。
さらに手打ち生パスタやリゾット、デザートとゲストを飽きさせない一品が次々と運ばれ、テーブルに歓声が上がる。
「当店は商店街で営んでいますし、地域に密着した一軒でありたいですね。
お客様にも、歴史ある長府や商店街の良さなんかを感じていただき、店を通じてこの街を盛り上げていけたらと思っています」。
初対面でも思わず「兄貴」と呼びかけたくなる頼もしい雰囲気の広瀬さん。
真心が伝わるあたたかい接客も人気の理由だろう。
もちもちした食感が嬉しい「手打ち生パスタ」、パリッとした皮にふんわりと柔らかな魚のムニエルとパプリカが絶妙な「お魚とパプリカのリゾット」など多彩。
(お一人様2,000円~3,000円、ご予算に応じます)
a table Takumi (ア・ターブル・タクミ)
Add/下関市長府土居の内町8-6 2階 Tel/083-242-7585
Open/12:00~14:00、18:00~21:00 定休日/火曜日
音楽を聴くこと(オーナーシェフ)。
Av r i l(アヴリル)
本格フレンチをカジュアルに臨場感たっぷりのカウンターで満喫
前を通ると、オーナーシェフの石田修治さんがグリル用の炭を仕込んだり、丸パンを焼いたりと開店前に大奮闘している姿が目に入る。
また深夜の遅い時刻には、リラックスしたほろ酔いの大人たちがわいわいとワインをかたむけている姿も。
そういう場面に出会うと、こちらまで幸せな気持ちになる。
石田さんは神戸や東京で働いた後、23歳で渡仏。
4年間本場で修業を積み、再び日本で新店の立ち上げなどを経験した後、念願の城を持った。
以来8年間、客の口コミで人気を築いてきた。
それは決しておしゃべりではないけれど「時間がかかる料理は、きっちりと手間と時間をかける」という信念で黙々と厨房に立つ石田さんの正直な背中を誰もが見てきたからではないだろうか。
これから冬にかけてのごちそうといえば、週末限定のモンサンミッシェル産ムール貝の白ワイン蒸しやキノコ(仏産・国産)料理など。席数が限られているので、事前に電話を入れて訪れたい。
「豚ホホ肉のビール煮込みベルギー風」(1,900円)、
「キャラメルのアイスクリームとアーモンドのシャーベット」(650円)など量はたっぷりの2~3人前。
Add/福岡市中央区薬院2-11-24 清洲ビル101 Tel/092-712-5282
Open/18:00~25:00(O.S) 定休日/水曜日
仕込みや外食(オーナーシェフ)。
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