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OffTime10月号 Men’s BOX

トレンドやこだわりのファッションに注目 Men’s BOX

14.9.10月号メンズ_2577
原寸大の輝き。段ボール箱という可能性。

段ボール工芸家 しまひでおさん
原寸大の素材は、建築家時代に慣れ親しんでいた段ボールと決めていたと話す制作者のしまひでおさん。
たまたま良質な野菜を求めて立ち寄った長崎県南島原市で有機野菜をネット販売する小田さん親子と知り合い、段ボール箱4,000個を譲り受けたとき、「よし、これで作れるぞ!」と覚悟が決まったという。
「ばれいしょ」の箱は頑丈だから動輪部分に。
「島原素麺」の箱は、柔らかいけど大きな面がとれるので外板にと、厚みや強度に応じて適材適所に使いこなす。
組み立ては、組立と解体がしやすい嵌め込み型のノックダウン方式を採用。
またある段ボールメーカーの人から言わせると、広い面がとれる段ボールシートで作るのではなく、使い終わった段ボール箱を解体して作っている点にもグッとくるのだとか。
実際、たび重なる作業で、しまさんの右手は腱鞘炎をおこしている。
それでも、連日、巡回先でパーツを作り続ける手を休めることはない。
巡回会場には、足をひきずりながらも熱心に見て廻るかつての機関士の姿や、昔を思い出すのか涙をこらえきれないお年寄り、一日3回毎日観に来る子どもなど様々な人間模様が描かれる。
「原寸の力でしょうね。
そこに段ボールという身近な素材が介入することで、ご高齢の方は過去を振り返り、子どもは未来を思うのかもしれません。
身近な段ボールという素材は、老若男女の心に届く普遍性があるのかな、抽象化されたものを引っ張り出す役割をしているのかもしれませんね。
僕自身が本気になって遊んでいるから、見る人も面白いと感じてくれるんだろうし、100%純粋に損得抜きで楽しいと思えることをやっている、それが伝わるのでしょう」と満足そうな表情をうかべるしまさん。
「今後? こうなったら乗りかかった船ですよ。
段ボール工芸を通して、誰かの心のネジを回す。
そんなモノよりコトの世界を広げていきたいですね」。
しまさんのほとばしる情熱がつまった段ボール製D51、ぜひ原寸大で体感して欲しい。
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〈D51仕様〉
全長/(機関車本体)12,500ミリ
全高/3,980ミリ
全幅/2,860ミリ
重量/(段ボールのみ)1,250キログラム
段ボール箱総数/約4,000個
製作期間/10ヶ月
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〈プロフィール〉しま・ひでお
昭和24年東京生まれ、段ボール工芸家。
段ボールを素材とする工芸分野を開拓すべく「原寸段ボール模型D51」を製作。
平成21年、 暦を期して退職。
「工芸分野」と「工業分野」における段ボール素材の可能性を追及する存在として注目を集める。
D51蒸気機関車原寸段ボール模型サイト
http://d51-1162.jimdo.com/
〈D51(デゴイチ)豆知識 〉
SLとは、「蒸気(Steam=スチーム)」の力で動く「機関車」(Locomotive=ロコモーティブ)の頭文字。
動力は、運転席後部のテンダーと呼ばれる炭水車に積んだ石炭と水から発生する蒸気。
なかでもD51は、昭和10年から15年間、重い荷物を運ぶのが得意な機関車で、デゴイチという愛称で人気。
〈今後の巡回スケジュール〉
9月26日(金)~30日(火)井筒屋小倉店/福岡県小倉市
平成26年暮れ頃には広島・岡山、平成27年の春頃は大阪・京都付近、GWあたりは名古屋・豊橋辺り、夏休みには横浜を経て東京に到着する予定。

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