OffTime10月号まちかど口福探訪

OffTime編集部オススメまちかど口福探訪

福岡・北九州の見知らぬ街角。
旅人になった気分で歩いてみれば、今まで気づかなかった美味しいお店と巡り合う。
そんなささやかな外食の愉しみ。

東方遊酒菜ヌワラエリヤ　

スリランカカリーと、本と建築とアートに浴する。

　スパイシーなカリーを無性に食べたくなる時、貴重な建築・アート系の書籍に触れ、刺激を受けたい時、マンガが読みたくなった時、大事な友だちや仕事仲間と建設的な話で盛り上がりたい時、足は自然と“ヌワラ”へ向かう。けやき通りを見下ろすビルの2階でビールを飲みながら、書棚から抜き出した好きな本を傍らに、本場料理人が腕を奮ったスパイシーなカリーをほおばる瞬間、「大人って自由でいいなあ」と自然と笑みがもれるのだ。本命は、炒めたビーフンが中央にのったヌードルカリーだが、最近のお気に入りはドライカリー。もちろん、どれを食べてもハズレはない。
　1998年にこの店を開いたオーナーの前田勝利さんは、建築家。空間を通じて福岡の文化シーンに影響を与えてきた。コンクリート打ちっぱなしの開放的な空間には、貴重なアートがさりげなく飾られ、毎月第4金曜日には、ミュージシャンの生演奏も。グループ店の「不思議香菜ツナパハ」（天神）、「ラーメン仮面55（PAHAPAHA）」（薬院）も合わせてどうぞ。

東方遊酒菜ヌワラエリヤ
Add／福岡市中央区赤坂1-1-5 鶴田けやきビル2F　Tel／092-737-7788
Open／11：30〜0：00（ランチ11：30〜17：00）
Closed／無休　HP／http://www.hf.rim.or.jp/~tunapaha/

Q あなたの Off Timeは？　　
A アート＆骨董＆本（オーナー）。

肉菜パークミートランド〜肉嵐土〜

『福岡パルコ』で大行列！糸島産熟成肉とメイソンジャー

　“食のテーマパーク”と銘打たれたこちら。看板メニューの糸島産熟成豚料理と、東京でも大流行中のメイソンジャーサラダを求めて、福岡地元はもちろん、韓国や中国から足繁く通うファンも多い。
　ピンクを基調とした元気いっぱいの内装が目立つが、素材にも並々ならぬプライドがあることをお忘れなく。竹炭入りの独自飼料で育て、30日間ウェットエイジングした熟成肉「風豚」は、糸島の浦ファームと共同開発した自社ブランド肉。さっぱりと軽い脂が特徴でお腹にもたれないハンバーグは、一度蒸すので中までふわふわ、ジューシーな肉にご飯がススんでしょうがない。
　また保存容器のメイソンジャーにサラダとドレッシングを入れて、自分の好みで振って仕上げるサラダも大好評。野菜は、甘みや滋味を引き出すために50度洗いと70度蒸しを実践するという本格的な下ごしらえは、味わいに、即、あらわれる。さあ、今度の休みは熟成肉にしよう。「あいよ〜！」との朗らかな声が響く聖地があなたを待っている。

肉菜パークミートランド〜肉嵐土〜
Add／福岡市中央区天神2-11-1 福岡PARCO本館地下1F
Tel／092-235-7387
Open／11：00〜23：00　Closed／元旦のみ

Q あなたの Off Timeは？　　
A 飲食店めぐり（オーナー）。

パティスリーボヌール

小倉第一病院栄養科と共同開発、低糖質スイーツ「ココロール」。

　「糖尿病だけど、カロリーを気にせずに美味しく食べられるスイーツがあればいいなあ」。そんな多くの患者達の声に応えるべく、小倉第一病院栄養科と『洋菓子店ボヌール』の村瀬雄一郎さんが立ち上がった。実は、中村秀敏院長は、以前からお客様だったそうで、トントン拍子に共同開発が決まったという。九州産フレッシュクリーム「ましずく」と甘みとコクのある大豆粉、砂糖の代わりにエリスリトール、スクラロースを原材料とした浅田飴シュガーカットを使用したロールケーキは、弾力のあるスポンジのかすかな塩気とクリームの甘さが好相性。ココロールを食した場合の血糖値の上昇の違いを調査した臨床実験結果によると、数値はほぼ一定というデータも実証された。
　焼きどーなつの移動販売からスタートして5年目。カフェを併設するなど、地域の人々に愛される店『ボヌール』の新たなコンセプトは、“小さなお菓子のあるお店”。人々を幸せな笑顔にする魔法の贈り物を心を込めて作り続ける。　　

パティスリーボヌール
Add／北九州市小倉北区真鶴2-1-13　Tel／093-592-5066
Open／10：00〜20：00
Closed／火曜日　HP／http://www.bonheursweets.com/

Q あなたの Off Timeは？　　
A ドライブ（店主）。

ジェラテリア　バンビーニ

山口県下関×イタリアの味覚を作りたてのジェラートで堪能。

　まるでイタリアの街角に佇むようなおしゃれなジェラート屋さんである。陽に灼けた顔で店頭に立つ店主の原野裕さんは、なんともと競輪選手！ 16年間に及ぶ選手生活を全うし、セカンドキャリアに選んだのは、生死をかけた勝負の世界とは真逆の老若男女に愛されるジェラートだった。「選手時代、毎年、自転車競技の勉強をしにヨーロッパに行っていたんです。そこで美味しいジェラートに出会いました」。
　店内の製造室に鎮座するのは、本場イタリアのボローニャのジェラートマシンだが、素材の果物や生乳はなるたけ地元産。菊川産のブルーベリーを使ったレアチーズ、豊北町の梨を使ったものなど地元産の果物と生乳2種（やまぐち県酪乳業、無投薬飼育・残留農薬の飼料を用いる秋川牧園）を使ったジェラートは、果物そのものが持つ素朴な甘さが生きていて、爽快な後味に包まれる。イタリアのエスプレッソマシン「ラ・チンバリ」でいれるコーヒーを手に、海峡の風に吹かれてみてはいかがでしょう？