OffTime4月号まちかど口福探訪

OffTime編集部オススメまちかど口福探訪

福岡・北九州の見知らぬ街角。旅人になった気分で
歩いてみれば、今まで気づかなかった美味しいお店と巡り合う。
そんなささやかな外食の愉しみ。
旅人になった気分で歩いてみれば、今まで気づかなかった美味しいお店と巡り合う。
そんなささやかな外食の愉しみ。

西鉄グランドホテル　中国料理桃林

天神の中心で気分は南国。宮崎食材を味わう中華コース。

　思わず襟を正す。ホテルレストランの凛とした雰囲気が好きだ。西鉄グランドホテルは今年4月で47周年を迎える福岡の老舗。中でも中国料理桃林は本格的な上海料理を礎とした木村浩料理長の逸品が味わえる人気店。「余計な手を加えずに、素材の魅力を引き出しているだけですよ」。木村料理長はそう謙遜するが、選び抜かれた器に繊細な盛り付け、食欲をそそる香りに一品に込められた熱量が伺える。
　今回頂いたのは4月1日〜5月31日まで提供される、太陽の国「宮崎」の食材を使ったフェアコース。旬満載のオードブルから始まり、渓流の女王ともいわれる＂ヤマメ＂の卵・黄金イクラを乗せたフカヒレスープ、マンゴーソースで仕上げた大海老のアーモンド包み揚げなど趣向を凝らしたメニューが供される。「名物のきなこ豚は焼売、日向鶏は甘味噌風味の香草焼きでお愉しみ下さい」。その土地土地で愛情たっぷりに育てられた食材を、洗練された技法で堪能できる。しかも天神の中心で。これほどの贅沢はない。
　普段使いに、接待に。とっておきの店を見つけた。

「宮崎フェアコース」（7,800円）税込、サービス別途。「黄金イクラ入りフカヒレのスープ」「大海老のアーモンド包み揚げ～マンゴーソース～」締めの一杯「桃林風辛麺の汁ビーフン仕立て」個室あり。他ランチメニューも多数。詳細はＨＰへ。

西鉄グランドホテル　中国料理桃林
Add／福岡市中央区大名2-6-60・地下1階　Tel／092-753-7189（9：00～18：00）
Open／11：30～Ｏ.Ｓ14：30、17：30～Ｏ.Ｓ21：00　土日祝は17：00～
HP／ http://www.grand-h.jp/

Q あなたの Off Timeは？　　　　
A 海釣り（木村料理長）。

フランス料理ベルセゾン・ナカムラ

美術鑑賞のあとに堪能する、正統派のフレンチ料理

　旧三井鉱山セメント工場跡地に誕生した「池のおく園」。その一画には、熊谷守一や横山大観、平野遼などの絵画を始め、板谷波山の作品など貴重なコレクションを有する知る人ぞ知る私設美術館「中村美術館」を始め、和洋の食事処や日本庭園、演奏会が催される「多目的ホール美音」などが並ぶ。
　今回ご紹介する『ベルセゾン・ナカムラ』もそのひとつ。露地物の旬野菜など四季折々の厳選食材を用い、繊細な手描きのヘレンド（ハンガリー）の器で供されるのは、正統派の優雅で気品あふれるフレンチである。なかでもゲストの舌を喜ばせるのは、ランチ限定のシーフードカレーだ。バナナなどのフルーツが入った酸味のあるソースは、１週間かけて煮込み、素材のもつ味わいを引き出している。無農薬・有機栽培の白米にかければ、真っ白いテーブルクロスに生まれたひとつの＂作品＂といえるだろう。美しい調度品を惜しみなく配した空間の美しさ、おもてなしの心が生きたサービスと共に堪能してほしい。

ランチのみ限定・毎日10食限定・要予約の「シーフードカレー」（2,000円・サラダ、アイスクリーム、コーヒー付）、ランチのみ限定・月曜日、金曜日10食限定・要予約の「ハンバーグ（フォアグラ入り）セット」（3,000円）のほか、四季折々の旬を盛り込んだコース料理も好評。「MenuＡ」（3,500円）、「MenuＢ」（5,000円）、「MenuＣ」（7,000円）」、「シェフのおすすめコース」（15,000円・前日までに要予約）。すべて税抜。

フランス料理ベルセゾン・ナカムラ
Add／福岡県田川市大字弓削田関の山3782-1　Tel／0947-44-3573
Open／11：30〜Ｏ.Ｓ14：00、17：30〜Ｏ.Ｓ20：00
Closed／木曜日
HP／ http://www.ikeno-okuen.com/

Q あなたの Off Timeは？　　
A 食べ歩き（オーナー）。

手づくりハンバーグラルコーン

ふわっとジューシー！サラダ感覚のヘルシーハンバーグ

　　ジュワーッッッ！！鉄板の上を弾けとぶ肉汁と白い湯気。ガッツリ肉気分の時は、ぜひ試してみようと後ろ髪をひかれつつも、今日は『ラルコーン』を訪れる女子にいちばん人気の春夏限定メニュー「野菜たっぷりハンバーグ」をセレクト。わさびドレッシングがかかったこちらは、サラダ感覚で食べられる上にてっぺんにはお子様ランチを彷彿とさせるエビフライまで乗っている。ツボですね。
　「器も冷やしてお出ししています」と笑顔をうかべるのは、店長の葛原辰夫さん。この道21年のキャリアで、口コミランキング上位にのぼる特製ハンバーグを作り上げてきた。ナイフを入れると、ふわっ＆ジュワーッの二重奏。焼き方の秘密は「牛と豚を7：3の配合でやわらかさを調節している」点にあるらしい。「また分厚い専用の鉄板でじんわり蒸し焼きすることによって、お肉にストレスをかけることなく焼き上がるんです」とにっこり。家族連れからカップル、会社員まで幅広い客層に人気のハンバーグ専門店である。

「大人のわさびレモン風味アボカドとエビフライが乗っかった！野菜たっぷりハンバーグ」（1,080円〜・パンとコーンスープは選べるセット・＋380円）、「メジャーハンバーグ」（780円〜）、「鹿児島産トンテキ200g＋ハンバーグ」（1,350円〜）。ハンバーグの大きさは、シングル150g、ダブル150g×2個（シングルの値段＋300円）、ポンド450g（ダブルの値段＋300円）から好きなサイズを選ぶ。すべて税抜。

手づくりハンバーグ　ラルコーン
Add／北九州市小倉北区魚町2-3-2・UＳビル2階　Tel／093-533-7013
Open／11：00〜Ｏ.Ｓ21：00︲21：30
HP／ハンバーグステーキ.com/

Q あなたの Off Timeは？　　
A 掃除やDIY（店長）。

寳屋本店〈番外編〉

日田焼そば、チャンポン、お弁当。日田の味、よりどりみどり

　　その店は、日田駅から歩いて20歩の好立地にある。創業80余年、日田市民を始め、多くの旅人に、地元の味すなわちソウルフードを届けてきた。いちばん人気は、味噌や辛いの、大小などバリエーション豊かな「チャンポン」。皆、お昼どき、いえ、開店と当時にこれめがけて店に駆けつける。いつもこればかりというのもいかがなものかと思い、今回は日田名物の「焼そば」を注文してみたところ、隣席の妙齢の女性らがすかさず「美味しそうね、私にも同じの、ちょうだい」というので笑ってしまった。
　このように『寳屋本店』は、市民の胃袋をがっちりつかんでいるわけだが、新しい取り組みにも積極的である。林業の活性化を叫ぶ日田市の市民団体「ヤブクグリ」の会員として、日田杉材の弁当箱に入ったオリジナル弁当を作り、販売する本拠地でもあるのだ。丸太に見立てたゴボウ、丸太の筏に見立てた細巻きなどが入った遊び心満載の弁当をもって、寳屋で呑んだあとは日田の町をぶらぶら歩くのも一興ですぞ。

「焼そば」（620円）、「チャンポン」（780円）、「皿うどん」（780円）、「ちらしずし」（950円）などを肴に、地元の銘酒を冷やで一杯。ヤブクグリ企画のお弁当「三隈川かっぱめし」（880円）、「きこりめし弁当」（880円）は、前日に予約をして散歩しながら食べるか、お土産にしても喜ばれそう。すべて税込。

寳屋本店
Add／大分県日田市元町13-1 　Tel／0973-24-4366
Open／10：00〜21：00（※11：00〜15：00まで禁煙）
Closed／無休

Q あなたの Off Timeは？　　
A ヤブクグリ活動など（店主）。

※「きこりめし弁当」(880円)、「三隈川かっぱめし」(880円)は、前日の予約をお願いします。

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