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offtime11月号 医療法人 海の弘毅会 北九州腎臓クリニック/新北九州腎臓クリニック 病院訪問レポート

医療法人 海の弘毅会 北九州腎臓クリニック/新北九州腎臓クリニック

慢性疾患の治療と予防へ、『チーム医療』で取り組む。
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「経験に裏付けられた学問、学問に裏付けられた経験を兼ね備えること、そんなスタッフの育成にも貢献できたらと考えています」。

 日本国内で、患者数は約1,300万人にのぼる「慢性腎臓病(CKD)」。高血圧や糖尿病など、さまざまな病態を伴い、医療費だけでなく、重篤な合併症による介護負担の増大につながるため、治療と予防が喫緊の課題である。その取り組みと目指す未来について、「医療法人 海の弘毅会」理事長の海津先生にお話を伺った。

試金石としての挑戦

 この春、地域の透析医療を担う「北九州腎臓クリニック(旧阿部クリニック)」の分院として、「新北九州腎臓クリニック」を開業しました。患者さんの増加で施設が手狭になったことに加えて、透析にならないようにするのが我々の仕事であるから、腎臓病とよく似た糖尿病も一緒に診て、外来を充実して、長年取り組んできた『多数治療目標達成型厳格治療』をさらに実践しようと考えたわけです。今の日本の医療制度では、大病院で担うのが難しい「一般的な病気だけど、人が関与しなければ治らない病気」を診て指導するための専門施設です。

外来と個別指導を充実

 具体的にはまず、待合室の隣に、看護師・薬剤師・栄養士それぞれの外来指導室(個室)を設けました。また、患者さんとご家族が一緒に入れる広いスペースを確保しました。これは全国的にも珍しいと思います。各室にモニターを設置したので、画像で分かりやすく病気や自己管理法について解説・指導することもできます。病気の進行や合併症を防いで、複数の病態に対する治療を同時に行うには、治療効果と安全対策の両立が必要です。チーム医療を実践しやすい環境を追求しました。

あるべき姿を目指して

 また、一番大事なことは、患者さんに心から安心して、信頼していただけることです。一人ひとりのスタッフが、プロフェッショナルな技術と精神を身に付け、さまざまな不安や悩みに耳を傾け、愛情をもって接することができる職場環境を心掛けています。当法人が理念に掲げる「愛情・安心・信頼のある施設」「高い専門性と広い診療範囲」「チーム医療の実践」「地域医療・社会と医学への貢献」の浸透とスタッフの育成、チーム医療の円滑化、診療のさらなる充実が今後の目標です。

地域社会と医療の未来へ

 これまでも行ってきた、腎臓病・糖尿病教室や調理教室などの指導・啓蒙活動、地域連携の取り組みにも、また力をいれていきたいですね。新クリニックの2階には、そのための講堂もつくりました。正直な思いとして、投資に対してどこまで採算が取れるかわかりませんが、「小倉南区にこのクリニックがあって良かった」と言っていただけるように、治療の主体である患者さんを多職種で支えられるように、そして地域社会と医療の未来へ資していけるように、スタッフ一同で挑戦していきたいと思います。

PickUP~あたたかな医療で親身に支える~

ここでは、「北九州腎臓クリニック」の院長・海津嘉毅先生にお話を伺います。
―院長に就任されて、まもなく半年になりますね。
 はい。以前は大病院におりましたので、違いを感じる部分もありますが、チーム医療の連携の強さは素晴らしいと思います。当院は創立20年以上の歴史があり、腎臓病・透析治療の専門クリニックとして地域医療の中核を担ってきました。手術・入院にも対応しておりますので、今後も分院である「新北九州腎臓クリニック」はもちろん、近隣の医療機関とも協力して、患者さんやご家族のニーズに応えていきたいと考えています。

―「腎機能改善外来」の取り組みもご好評ですね。
 おかげさまです。「透析に行かせない」を合言葉に、メディカル・スタッフと一体となって行っています。5分や10分の診察や説明で、ご安心・ご満足いただくのは難しいものです。当院では患者さんとご家族に対して1回に約2時間かけて指導を行い、合併症や併発症を予防または治療し、QOLを維持・向上に努めています。

―今後、さらに力を入れたいとお考えのことは  ありますか。
 そうですね。ご高齢の患者さんも多いので、将来はリハビリテーションができる技師の方に来ていただいて健康維持のお手伝いをする、透析患者さん同士で交流を深める機会を設ける、といったことも実現したいですね。発展途上ですが、研修機関としても充実させたいと考えています。「人」が行うことですので、油断や事故のないように体制を強化しながら、「人」と「人」としてあたたかな医療を目指します。

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透析室にて。「ご年配の方からも気軽に話しかけて、何でもご相談していただける雰囲気を心掛けています」。

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栄養士指導室の様子。左右に看護師指導室、薬剤師指導室が並ぶ。
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最大50名を収容可能な講堂。スクリーンや照明など設備も充実。
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両クリニックを合わせて、人工透析の受け入れ体制もさらに強化。
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「わかりやすい」「ためになる」と大好評の腎臓病・糖尿病教室。

◆取材協力 医療法人 海の弘毅会 新北九州腎臓クリニック

住 所/北九州市小倉南区曽根北町4-11
T E L/093-474-7200
理事長・院長/海津 嘉蔵
名誉院長/土師 正文
医 師/三谷 博通
診察内容/腎臓内科・人工透析内科・糖尿病内科・高血圧・内科一般
職員数/17名(医師・看護師・臨床工学技士・管理栄養士・栄養士・臨床検査技師・薬剤師・看護助手・企画・事務)
外来受付/(月~土)9:00~12:00/14:00~17:00
透析受付/(月~土)8:00~14:30
休診日/日曜日・祝日、12月29日~1月3日

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◆取材協力 医療法人 海の弘毅会 北九州腎臓クリニック

住 所/北九州市小倉南区田原新町2-3-8
T E L/093-475-4939
理事長/海津 嘉蔵
名誉院長/阿部 哲哉
院 長/海津 嘉毅
病床数/10床(療養病床6床/一般病床4床) ※透析室病床 58床
診察内容/腎臓内科・人工透析内科・糖尿病内科・高血圧・内科一般
職員数/38名(医師・看護師・臨床工学技士・管理栄養士・臨床検査技師・看護助手・事務)
外来受付/(月・水・金)9:30~12:00/14:00~18:00
     ※火・木の午後は~17:00、土曜は午前のみ
透析受付/(月・水・金)8:00~13:30/16:00~23:00
     (火・木・土)8:00~13:30/13:00~18:00
休診日/日曜日・祝日、12月29日~1月3日

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