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OffTime7月号 インタビュー 村山循環器科内科 院長 村山 榮一

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老いてこそ、なお輝く、
そんな医療を目指して。

60年安保学園紛争を乗り越えて九州大学大学院からクリーブランド留学開業41年の血管探究診療人生


 幼少時は第2次世界大戦福岡大空襲を経験し、軍医だった父君の影響で医師への道へ。〝青春〟ということばが輝き放っていた医学生時代、蛮勇であり勤勉であった村山青年は、米国クリーブランド留学を経て、昭和51年に開業。以来41年間、地域医療に貢献している。学生時代には神のような存在であった、今は亡き勝木司馬之介教授(脳の専門医)とは、留学から帰国して一緒にゴルフを楽しめたことが感無量とのこと。

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これからも地域医療に貢献をと語る村山院長

空爆後父が復員そして修猷館高校へ

 軍医の父が復員するまで、私は母方の実家のある博多川端に2年、そこが空襲にあい、焼け出されて渡辺通一丁目に移り、物心がつく頃、幼稚園から春吉小学校に入学しました。その一年生の頃に父が復員して来て、旧国鉄の門司鉄道病院に職を得て、下関に転校し、中学卒業まで住んでいました。博多出身の母の意向もあり、昭和31年に福岡に父が開業し、私が修猷館高校に進学することになりました。

60年保安闘争を経て論文完成、博士号取得

 父の影響で選択の余地なく、昭和34年現役で九州大学医学部に入学し、教養課程では、2年間の亭亭舎での強烈な飲み会の洗礼を浴びます。当時は文字通り安酒で、毎日のように飲んで、泥酔し、父に呆れられた覚えがあります。昭和40年に卒業し、当時60年安保の学園紛争の嵐の中、大変でしたがインターンシップ一年、それから第2内科入局、大学院に進みました。さぁ論文ということで、テーマが〝動脈硬化、人間の血管〟というものでしたので、病理学教室に行って、さまざまな臓器、部位の血管を貰ってくるのですが、ある時、ただ持って行くだけでなく手伝えと言われ、内科医の私は、これも勉強のためと約一五〇体を解剖しました。その後臨床も経験し、完成させた論文は3回の教授会の厳しい審査をパスし、同期90人の中で最初に博士号を取得しました。
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温和な笑顔の村山院長

逸話いっぱいのクリーブランド留学

 米国の友人の誘いで、当地で患者さんを診るためのアメリカの国家資格を東京で取り、妻と2歳の息子と生後2ヵ月の娘を連れて、昭和45年米国クリーブランドのマウントサイナイ病院に研修医として留学しました。到着2日目に出勤し、全て英語のオリエンテーション、50頁のガイドブックなど理解しようとヘトヘトになり、それでもワインのレセプションパーティーに出席したのですが、同期の米国人スタッフに何故か〝グッドラック〟〝グッドボーイ〟と声をかけられる。それが怪訝でロッカールームのスケジュール表を見たら、その日私が当直だと判り、それも17時から、気が付いたのが19時で、慌てて病棟に辿りついたら白人の研修医のチーフが茹で蛸のように真っ赤になって怒っていて早口で英語をまくし立て、カルテを渡される。そのカルテはクセの強い筆記体で読み辛く、さらに最初の患者さんが脳卒中で言語障害の黒人女性、南部訛りで聞き取れず、いま思い出しても、初日は冷や汗が出るほど苦労しましたね。

あわや絶体絶命、マフィアのボスを診療

 3年目にチーフレジデントになり、診察のノウハウなど研修医達に指導する立場になった頃、ある患者さんとの診察現場で恐怖を味わうことになります。普段米国人は私の〝ハロー〟の一言に夥しい数の言葉が返ってくるのに、その患者さんはムッと黙ったままなので、なおも話しかけようとすると、副院長のドクターから〝君は、君の命と家族の命を大事にしろ、彼はクリーブランドのマフィアの親分だ〟と諌められ、周囲を見ると、病棟のコーナーコーナーに拳銃をポケットに隠し持った手下が立っていた。寸でのところで命拾いした忘れ得ぬ事件ですね。

開業して41年、これからも高質な診療を

 昭和49年に帰国後、九州大学第2内科へ帰属し、2年後の昭和51年に「村山循環器科内科」を開業し、既に41年の歳月を数えます。人間は血管と共に生き、永らえ、そして死んでいく。これからも、博士号を取得した論文の先へと、疾患の本もとである動脈硬化を研究し、循環器専門医師として診療を続けて行きます。
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親子2代、循環器診療の道を行く。ひとときの歓談で笑顔がこぼれる

◆村山循環器科内科

住 所/福岡市南区野間3-3-6
T E L/092-541-0126
院 長/村山 榮一
診療内容/循環器科・内科
診療時間/平 日  9:00~12:00、14:00~17:00 土曜日 9:00~12:00
休診日/日曜日、祝祭日
H P/http://murayama-j.sakura.ne.jp

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