
編集長/黒木 正和
庄司陽子の『生徒諸君!』学生編(全24巻)を購入して通読したのは、私が35歳を過ぎた頃だった。サントリー角の水割りを呑みながら、秋の夜長の金曜日、土曜日、日曜日の三夜で読み切った憶えがある。作者が同年代なのでストーリーの雰囲気が懐しく、登場人物に同級生を投影させて、ドキドキワクワク胸を躍らせ、ため息ついたり、笑ったり、時には泪を流した。傍らで妻が呆れていたが、交換日記を3年で6冊重ねたM子や夏休みの読書量を競ったY子などの顔が甦り、何とも至福の時間だった。『生徒諸君!』は、教師編(全25巻)、最終章・旅立ち(全30巻)とシリーズされたようだが、私は未読である。
ちなみに16歳でデビューし、『天上の虹』が代表作の里中満智子は、庄司陽子の2歳上で、極めて強い刺激を受けて、1 9 6 8年高校3年生の春投稿3作目で「佳作入選」を果たし担当編集者がついた。同年冬の16頁の『海とルコックちゃん』が『少女フレンド増刊号』に掲載されてデビューした。
この2人の天才漫画家と同時代に生きて、青春を過ごしたことは嬉しい限りである。
●Off Time発行元
ドリームシェア株式会社
株式会社コマーシャルアーツ








この記事へのコメントはありません。