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春、旅する心が弾みます。瀬戸内のおだやかな海と山、 猫さんに逢いたくて憧れの港町、尾道をたずねました。
Love to cat
小津安二郎監督「東京物語」、大林宣彦監督の尾道三部作「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の映画ロケ地としても知られるフォトジェニックな町、尾道。初めて訪れるのに、なぜだろう、懐かしい気持ちになるのは、戦災をまぬがれたおかげで昔ながらの日本の原風景が今も健在だからかもしれません。ロープウェイで空をゆるゆると散歩するのもいいですが、せっかくなので尾道水道、しまなみ海道を見下ろす千光寺山の山頂をめざし、坂道を歩いてみました。息を切らしつつ、ふと気配を感じて顔をあげると、屋根の上でひなたぼっこしたり、毛づくろいしたり、あくびをしたりする猫さんがいて……。自由気ままな尾道の猫の愛らしさに、ついつい足をとめ、見入ってしまうのです。
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A smell offlowers
緑の山をポツポツと染める桜は、尾道市の木と花です。青空へと桃色の手をのばす樹の下を歩けば、時折、山からの風が吹いて、はらりはらりと舞い散ります。また来年も見られるといいな。ささやかな生命の輪廻をまぶしい想いで眺めました。千光山の中腹の境内には、朱塗りの本堂と共に「残したい日本の音風景100選」にも選ばれた鐘楼が鎮座します。日々ここから、尾道の町と暮らしを見守っているのです。
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Caféé & cinemas
尾道には、いい喫茶店がたくさんあります。尾道ラーメンのお店も。そして映画の町らしく、閉館になった映画館を市民が復活させた「尾道シネマ」も。ぜひ尾道をおとずれたら、ロケ地巡りとセットで映画鑑賞をたのしんでみてください。映画館に足を運ぶ一人ひとりの力が、日本の銀幕の世界をもっともっと豊かにしていくのですから。
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A street of literature
尾道という町は、他にはない独特の情緒にあふれているからでしょうか。林芙美子、志賀直哉、中村憲吉、正岡子規など文人墨客のゆかりの地としても知られています。下関で生まれ、北九州で過ごした後、13歳から6年間もの青春時代を尾道で過ごした林芙美子は、多感な時代を過ごした尾道を自伝的小説「放浪記」にこう記しました。
海が見えた。海が見える。五年振りに見る尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海にさしかかると煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がってくる。赤い千光寺の塔が見える。山は爽やかな若葉だ。緑色の海の向こうにドックの赤い船が帆柱を空に突きさしている。私は涙があふれていた。
千光寺公園内には、約1キロにわたる自然歩道「文学のこみち」が続き、道中には短歌や詩などを記した25基の句碑を辿ることができます。桜舞う小道をのんびり歩いてみてください。またおのみち商店街入口には、籐のバスケットに日傘を持った林芙美子の銅像がありますので、ぜひご覧ください。
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