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OffTime3月号 編集後記

編集長/黒木 正和

 北九州発祥のことば「角打ち」が、最新版広辞苑に載った。旧八幡製鉄所などの労働者が仕事終わりに酒屋で立ち飲みを楽しんだことが始まりとされる。立ち飲みは何処にでも在る。NHKドキュメント番組72hours「赤羽おでん屋エレジー」を視た。〝酔っぱらいお断り″〝他店で飲酒の方は一杯まで″と目立つ貼り紙のおでん屋。近在の人、若者も年輩者も男も女もそれぞれの事情でフラッと立ち寄り、煮込みやおでんをアテに焼酎だったり日本酒だったり好みの酒を、ワンカップ酒の空瓶をグラス代りに飲む。空瓶の有効利用だ。取材者がつまらない事を訊く。「何を考えて飲んでいるのか」それに、「飲んでいる時は何も考えない。無だ」と初老の客が応える。達観である。ニートの息子のために働きオデンを持ち帰る老母もいる。悲喜交々。青春時代の私の行きつけは武蔵野井の頭公園そばのやきとり屋。長髪で痩躯のフォーク歌手、若い頃の高田渡が飄々と酒を水のように飲んでいた。

●Off Time発行元

ドリームシェア株式会社
株式会社コマーシャルアーツ

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