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OffTime2月号 特集 OffTimeKOYA・ASOBI

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小屋……。 小さくてもいい。
大の字になって寝っころがれたら、それでいい。
少々寒くても暑くても不便でも我慢できる。
自分だけの小屋があれば、あんなこともこんなことも… 。
想像するだけで子どもに還る。
幼い頃に秘密基地を作った、その気持ちを大人になった今も変わらず持ち続けていられる、小屋のたのしみ。
今回は、福岡市からクルマで1時間の里山に、書家の前崎鼎之さんが4年間かけてほぼ自力で建てたという小屋「寸時舎」のひとときをご紹介します。

小屋でくつろぎ、焚き火を囲む、仲間との時間。

大野城市在住の前崎鼎之さんは、西鉄白木原駅から歩いて数分の所に書道教室とアトリエを構える書家。
書を広める試みとして、毎年アクロス福岡で書の展覧会を開いたり、書のパフォーマンスをしたりという活動を地道に続けている。
また書道教室では、書とともにお抹茶を楽しまれることもあるとか。
私自身、前崎さんとはよく行く珈琲屋「美美」で隣同志になる程度だったが、長く通ううちに店のロゴマークの文字も、毎年年末年始になると飾られる大きな額入の書も、前崎さんのものだと知ることとなった。
そんな前崎さんが自分で建てた「寸時舎」という小屋を所有していると知ったのは、もう10年くらい前になるだろうか。
一度雑誌で紹介されたのを見たことがあり、いつか訪ねてみたいなあとずっと憧れていた。
ある日のこと、前崎さんから「親しい仲間とテールスープラーメンの会をしますので参加しませんか」との思いがけない連絡が。
いやあ、天にものぼる気持ちを抱き、行って参りました。
周囲に小さな茶畑が広がるくねくねとした山道は、クルマ一台がようやく通る広さ。
「わあ、こんな人里離れた所に小屋を作るなんて、材料を運ぶのも大変だったでしょう」なんて言いながら、頂上まで辿り着く。
昔、お茶工場だった建物の裏手、一見わからない隠れた丘にその小屋は建っているという。
テールスープの材料を手分けして抱えて、道なき土の道をのぼったら、あ、あったぁ!!
「寸時舎」の手書きの看板だ。
構造的にもいちばん建てやすく雨にも強いという片流れの小屋は、水平の取り方をプロに教わった以外は、家の建て方について書かれた解説書を片手に前崎さん自身がコツコツと4年間かけて通いながら建てたものだというから驚く。
書家は筆より重いものを持たないかと思いきや、たった一人で竹やぶを伐採し、開拓するところから始めたというからすごいパワーだ。
で、かかった費用はどのくらい?
えげつないと思いつつも興味が抑えられず聞いてみると、「いやあ、はっきり記録はしていないんですけど何だかんだで200万くらいかなあ」と前崎さん。
自分で大工仕事のほとんどをまかなっているからこその価格だろうが、何となく漠然と希望がわいてくる。
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続々と小屋に姿を見せる本日の参加者は、主の友人関係。
琴の奏者、ピアノ調律師、ガラス作家、石の彫刻家などものづくりの人達も多く、それぞれが好きなお酒を手に宴会スタート。
まずは焚き火を囲み、カンパーイ!!
「じゃあ、マシュマロから行こうか」。
え、マシュマロとは?
聞けば、葉っぱをとった竹の細い枝の先にさしたマシュマロを火で炙って食べるのだと。
へえ、初めて聞いた。
おそるおそる表面を熱々に焦がし、とろけた熱々をすかさず口へ。
香ばしい焦げの後から脳天に直結する甘さがやってきて…こ、これはクセになる。
山で食べるから尚更美味しく思えるのだろうけど、手軽で美味しかった〜。
皆、好きな日本酒やワインを片手に自己紹介をしながら、焚き火のまわりで暖をとる。
冷えた山の空気も体がほてっているのでちょうどいい。
見上げれば木々の間に青い空。
すぐ裏手で鳴くかろやかな山鳥の声も耳に快い。
普段はなかなか接することがない初対面同士でも、山小屋や焚き火という非日常空間に居合わせることで、自然に打ち解けることができるような…。
あぁ、幸せだなぁ。
やっぱり外に出ていろんな人達と出会うって大切だなあと、ほろ酔いの頭でひとりごつ。
「じゃ、そろそろメインのラーメンにいきましょうか!」。
前崎さんの快活な声を合図に巨大な鉄鍋にたっぷり湧かした湯に、昨日自身で打ってねかせておいたという手製の麺を投入。
目の前が見えなくなるほどの真っ白い湯気に、期待が高まる。
見ればチンゲンサイやネギなどの具材や薬味まで準備万端!
わあ、さすがだなあ。
もしもない場合は、食べられる野草を山で採取して刻んで入れるというチャレンジも愉しそう。
椀が足りないので、黒い飯ごうの道具まで持ち出して配給されたテールスープラーメンは、濃厚で滋味深いスープにしこしことコシのある手作り麺がからみあい、お替わり!と叫びたいほどの美味しさでした。
まさにこれぞ「お・も・て・な・し」。
書もできるし、小屋も建てられる上に小屋の近くの田んぼで稲まで育て、おまけにテールスープラーメンまで作れるとは……
前崎さんの好奇心と行動力、恐るべしである。
食後は、焼き芋タイム。
ほくほく焼けた黄金色の芋をほおばりながら、ワインを一口。
山の気温がぐっと下がる夕刻には、薪ストーブが赤々と燃える小屋に入って、前崎さん手づからのネルドリップ珈琲と参加者の方の手製のパウンドケーキで一服。
ああー、小屋っていいなあ。
自分の小屋がますます欲しくなるなあ。
いつか、小屋暮らし。
オフタイムを愉快に過ごすプランのひとつに加えてみてはいかがでしょう。
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焚き火Lesson

1.まずそばに水を用意する。
2.着火しやすいようガムテープやくしゃくしゃと丸めたチラシなどに火をつける。
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3.充分に乾燥した地面に落ちている小枝を拾って上にのせる。
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4.さらに大きな枝をのせ、火を大きくしたら樫などの堅くて燃焼時間が長い薪をくべる。
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5.空気の通りをよくするために薪はつめこみすぎないようにする。火の回りがよくない時は、
竹筒でふうーっと息を吹きかけよう。
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6.焚き火の後始末は、真っ白い灰になるまで広げながら火を消すのがベストだが、
時間がない時は水をかけてよく消そう。
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焼き芋Lesson

1.芋を洗う。
2.濡らしたチラシや新聞紙で芋をくるむ
(適度な水分によってほっくりと焼きあがる)。
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3.さらにアルミホイルで包んで焚き火の中へ。
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小屋の持ち主

書家 前崎 鼎之さん
福岡書芸院
住 所/ 福岡県大野城市白木原5-1-27
電 話/ 092-573-5753
H P/ http://www.syogei.com

前崎さん書のはなし

書道をどうやって広めたらいいか。
最近思うのは、歴史をさかのぼることだと考えているんです。
ただそこそこキレイで褒められるための字を書けばいいという書道の学校教育がいけない。
もっと字=自分自身というふうに愛着を持って自分の字を大切に思ってもらうにはどうしたらいいか、均一化されたきれいだけど面白みのない字ではなくて、かといって下手でいいってことでもないし、うーん難しいけどそこに向かって動いていきたいですよね。
書についてみんなで話すなんてこと、めったにないでしょう?
絵だったらゴッホとかピカソとか誰でも知っているけど、書は王羲之とか誰も知りませんからね。
(前崎さん談)
古典に学ぶことから書が始まればいいと思っています。
王羲之に始まり王羲之に終わるというのが書道界の常識です。
ところが、民芸運動を展開した柳宗悦は王羲之の書より、ここに書きました爨寳子を正書とすべきだといいました。
王羲之の書に魅力を感じなかった私にとって、心強い言葉でした。
そこから私の書は動いていきました。
久し振りに爨寳子を見て、ここを目ざしていたのかと改めて思いました。
感じたものを書いて見ました。
(前崎さんのFacebookより)

おすすめBook

小屋本
『食う寝る遊ぶ 小屋暮らし』
中村 好文 著
(PHP研究所刊 税別2,000円)
帯にはこう書かれています。
【不便も愉しい。人気の住宅建築家が作って、住んで、実感した、人が「暮らすこと」の原点】。
本書では、もともとあった古い家を改築して手作りの小屋を作るまでと、作った小屋で不便を乗りきる知恵や創意工夫を働かせて友人や家族と楽しむ小屋の日々が、著者のあたたかいイラストとユーモアたっぷりの文章、そしてたくさんの写真とともに綴られていて、小屋への憧れをかきたててくれます。

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