online pharmacy without script

博多包丁

台所仕事に欠かせない博多包丁職人
「大庭鍛冶工場」大庭利男さんの仕事。

中学卒業と同時に祖父が始めた鍛冶屋で働き始め、60余年間、ただひたすら愚直に鉄を焼いては打ち続け、人々の生活を支える道具を作ってきた大庭さん。かつては、鍬などの農機具などを専門にする鍛冶屋だったそうだが、時代の流れとともに激減、今は全国から注文が殺到する博多包丁づくりにその腕を生かしている。
鍛冶職人の仕事場は、福岡市は清川エリアの高層マンションやビルにうもれるように建つ木造家屋である。大正時代に大庭さんの祖父が建てたという工場は、今では目にすることも少なくなった土間づくり。壁には素人目にはすべて同じ形に見える鋏がずらりと並んでいる。学校帰りの小学生たちが好奇心いっぱいの顔でのぞき込んでいくたび、「おじちゃんは、包丁を造ってるんよ」と仏様のような笑みをうかべる大庭さん。そのときばかりは、職人の厳しい表情も和らぐようだ。
壁にずらりと並ぶ販売用の博多包丁は、その数、サイズや用途違いで20種類以上。黒打ちと呼ばれる鋭い背と銀色に光る刃先が特徴の博多包丁は、野菜でも魚でも肉でも何でもこれ一本で事足りる万能選手。博多の主婦はもちろん、料理人も愛用している。強靭で粘りのある包丁の刃は、両刃づかい。利き手を選ばない使い勝手も支持される理由だろう。
博多包丁の原材料は、島根県安来産の軟鉄鋼。このかたまりを火床と呼ばれる炉に差し入れ、コークスで焼いては、金鎚でカンカンと打ち、また焼いて打つ。一口に「打つ」といっても、道具の用途に応じた微妙な手加減が必要だという。工場には温度計もない。確かなマニュアルもない。熱した鉄の色をみて、良し悪しを判断するわけだから、まさしく職人技といえるだろう。(次号へ続く)
4月1237
4月外観1394
4月1179
●データ
大庭鍛冶工場
福岡市中央区清川3-9-21

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

【必須】

ページ上部へ戻る