
| 私 の 休 日 |Top Interview
一瞬の間合い、駆け引きで
“大物”を狙う船上のロマン。
地元の漁師のような“糸さばき”で、真鯛を年中追い求める三好先生。
「呼び出される心配がない頼れる当直医がいて、天候に邪魔されない休日」限定、
多忙な日々を支える<Offの過ごしかた>について、お話を伺いました。
“大物”を狙う船上のロマン。
地元の漁師のような“糸さばき”で、真鯛を年中追い求める三好先生。
「呼び出される心配がない頼れる当直医がいて、天候に邪魔されない休日」限定、
多忙な日々を支える<Offの過ごしかた>について、お話を伺いました。
釣りとの出会い
アメリカ留学中、キングサーモンを釣るテレビ番組に興奮したのがきっかけでした。帰国後、人生で初めて船釣りに出かけたんです。船長が道具を貸してくれるというから、竿を想像していたら「これ」と渡されたのが、紐を巻いた道具。竿やリールでなく、糸の先に重りと活きエビを付けたものを垂らして釣る“伝統漁法”の船だったんですね。なかなか釣れないわ、直射日光で暑いわ、脱水症状になりかけるわで「二度と来ねぇぞ」と思っていたら、終了間際になんと“大物真鯛”が!。 「引きよし、味よし、姿よし」の真鯛にすっかり恋した瞬間です。
荒修行の日々
ただ、そこからが大変で、かなり授業料を払いましたね(笑)。同じポイントで、同じ餌でも釣れる人、釣れない人に分かれるんですよ。魚の「大きさ」は運でも、「数」は腕次第。下に魚がいるのは魚群探知機で分かっているので、口を使う気がない魚をいかに振り向かせるかが腕。冬なんか、時化でびしょびしょに濡れて、身を切るような寒さの中で釣れないと「金を払って、壱岐まで来て、一日なんしよったかね…」と心底こたえます。
勝ち組の優越感
釣れなかった時には他人の魚を恨めしそうに横目で見ながらうつむき加減に帰路につきます。たまに、自分だけに大物が釣れた時には優越感に浸りながら船長の写真撮影に応じるんです。「釣ってうれしい、食べて美味しい」と二重の喜びがあるんですよ(笑)。釣りは、理屈でなく結果がすべてという点に心惹かれますね。男には狩猟本能が備わっているんです。海の下にはどんな生き物がいて、糸を垂らして何が上がってくるのかわからないところにも、ロマンを感じます。
ヒーローの流儀
ロマンといえば、大学時代には空手に夢中でした。仮面ライダーやウルトラマンの延長で、「強い正義」に憧れていたんです。ある流派で黒帯を取った後、飽き足らず極真空手にも挑戦して、卒業近くまで続けましたね。留学中はアメリカの大学生に混じってムエタイ部に所属し、夜はキックボクシングで汗を流していました。今? 四十肩で寝返りを打つと痛みで起きるぐらいで、運動どころか日常生活にも支障がありますね(笑)。
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他のご趣味も伺うと、「それがまったくなくて。これからの季節、釣りに行けないときが困るんですよ(笑)。ぶらぶらと街に出掛けて、書店をのぞくのが関の山です」。ちなみに、釣りにおいてはひそかに目標があるのだとか。「お世話になっている船が就航して10数年、釣果の最高記録が14キロ台の真鯛なんです。私の最高記録が9・8キロで、体長自体はほぼ同じなのですが、身の厚さや産卵期の卵などで違うんですね。まずは10キロの壁を越えること、いつかは15キロ越えの大物に出会うのが夢です」。満面の笑顔に、こちらまで爽やかな海風を感じた取材でした。

「釣りを始めて11年、毎回、同じ格好に同じポーズ(笑)。水深50m~80mで、糸をたぐったり離したり…。釣り針の大きさや魚の誘い方で『結果にコミット』するのを楽しんでいます」。

目を閉じ、指先の感覚だけで糸を操る。マニアの釣り方は「シンプルが故に燃える」そう!

大学時代、極真空手部にて。「キレがあるでしょう(笑)。人は『気合い』があれば一つ上に行けることも学びました」。
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