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OffTime4月号 インタビューしまだ内科・循環器クリニック 院長 嶋田 寿文

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些細な不調でも気軽に相談できる、
地域のホームドクターでありたい。

きら星の如き恩師との出会い
24時間患者さんに寄り添った医療のため、
さらに続く研鑽の日々

 高校の学園祭では脚本、出演、監督を、大学の学園祭では最優秀男優賞受賞など演劇エピソードは嶋田院長の端整な面立ちに接すれば合点がいく。 また学生時代から始めた合気道は黒帯三段の腕前。久留米大学心臓・血管内科では今泉勉教授に薫陶を受け、同大学院では室原豊明先生に血管新生療法を、国内留学先の九州医療センターでは岡田靖先生、豊田一則先生、井上亨先生のもと指導を受け、それぞれの恩師には久留米大学心臓・血管内科入局「感謝」の二文字では足らないと嶋田院長。現在も80歳で現役医師を続ける父からの「24時間患者に寄り添った医療を」のアドバイスに応えるべく、これからもさらなる研鑽を続けると、嶋田院長は語った。

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しっかりと地域医療に貢献したいと熱く語る嶋田院長

祖父から続く医師の家系、高校学園祭の演劇で八面六臂の活躍

 出身は大分市で、「関アジ」「関サバ」で有名な佐賀関にほど近い海辺の町で、三人兄弟の末っ子として生まれ育ちました。実家は祖父の代から内科医院を開業しており、循環器内科医の父は地元のかかりつけ医として多忙な日々を送っており、夜中でも往診に出かけてい く父の背中を見て私は育ちました。学校は大分大学教育学部附属幼稚園、小学校、中学校で12年過ごしました。その後、一度は男子校に行ってみたいと地元の私立岩田高校に進学しましたが、ちょうど思春期、気がつくと周りは当たり前に男ばかりで後悔しましたね(笑)。中学の頃から演劇をやっていたので、高校の学園祭で私が脚本・出演、監督として演劇を立ち上げました。男子生徒に女装させるなど(笑)、トラブル続出でしたが何とかやり遂げることが出来たのは良い思い出です。

久留米大学4年時、合気道で準優勝、学園祭の学年対抗劇で最優秀男優賞

 大学は久留米大学医学部に進学。当時は殆どの学生が体育会系部活に入部しており、武道に興味のあった私は合気道部に入部しました。サークルみたいな活動かと思ったら、さにあらず練習はハードで勉学そっちのけでやたら厳しく、毎年夏に開催される西日本医科学生体育大会(西医体)で優勝するのを目標に日々頑張っていました。春から夏は部活漬けの日々、そしてオフの秋冬は授業、実習、試験という流れでした。幹部学年の大学4年時に主将として西医体で準優勝をしたのが思い出深いですね。また久留米大学の学園祭「あのく祭」では毎年、学年対抗劇を行うのですが、中学高校時代に演劇をしていたことから私も毎年参加していました。度胸付けのため夜間、久留米の街中で酔っ払いに 絡まれながら路上ライブならぬ路上演技を仲間としていたのが懐かしい思い出です。そのおかげで大学4年時には最優秀主演男優賞をいただきました(笑)。それでも大学5年生になると臨床実習も始まり、漠然と将来の進路について考えるようになりました。

久留米大学心臓・血管内科入局、今泉教授はじめ多くの先生方の指導と研鑽

 私はもともと救急医療に興味があったのですが、その中でも循環器救急をやってみたい気持ちから卒後は母校の久留米大学心臓・血管内科(旧・第三内科)に入局しました。入局後は、久留米大学心臓・血管内科主任教授の今泉勉先生(現・福岡国際医療福祉大学学長)のもとで臨床の一歩を踏み出しました。当時は働き方改革のない時代です。とにかく多忙な研修時代でしたが早く一人前になりたいという一心で頑張っていました。初期研修を終えた3年目から大学院に進み、室原豊明先生(現・名古屋大学循環器内科主任教授)にご指導いただき、血管再生医療について基礎研究を行いました。その後は「これからの循環器医は全身の血管を診なくてはなりません」という今泉先生の勧めで国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科に国内臨床留学し、岡田靖先生(現・同院副院長)、豊田一則先生(現・国立循環器病研究センター副院長)のお二人と脳神経外科の井上亨先生(現・福岡大学病院 長)のもとで脳血管病診療および臨床研究の研鑽を積みました。今まで一つの専門分野しか知らなかった私にとって、この国内留学は大きなターニングポイントになりました。お陰で当時、私が日本で初めてだったと記憶していますが循環器専門医と脳卒中専門医の両方の資格を取得することができました。

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穏やかな笑顔の嶋田院長

地域の基幹病院に勤務、東日本大震災、熊本地震で医療ボランティアを実体験

 その後は公立八女総合病院、大分県済生会日田病院、中津市民病院など地域の基幹病院に勤務しました。「循環器内科医である前に内科医であれ」という先輩方からの教訓のもと、専門である循環器疾患、脳血管疾患などはもちろん、救急一般、呼吸器、消化器、血液、膠原病疾患など様々な専門外疾患を多く経験させていただきました。特に救急に関してはDMAT(災害派遣医療チーム)リーダーとして大規模災害、多重事故などにも対応していました。重症の患者さんが多く来院する病院でしたが近くには転院可能な大きな病院はありませんでした。 このような過酷な環境の中、自分が最後の砦だと自分に言い聞かせ、限られた医療資源の中で緊急時に最大限の医療が提供できるように創意工夫することを学びましたね。また、今泉先生の後任として久留米大学心臓・血管内科の主任教授に赴任された福本義弘先生のご指導のおかげで、このような多忙な日々でも臨床研究にも携わることができました。この頃は臨床に研究に充実した日々を過ごしていました。このまま急性期医療をやっていくのかな、と漠然ながら思っていましたがその意識が変わったのが2011年の東日本大震災と2016年の熊本地震です。ともに医療ボランティアとして現地に入りましたが、かかりつけ医を失った患者さんの苦労話を傾聴することで慢性期医療の重要性も感じるようになりました。今まで培った経験を活かして、一人ひとりの患者さんに寄り添う医療を提供すべく、2017年10月に福岡市中央区六本松の九大跡地でクリニック開業することになりました。

今年80歳、現役医師の父からの助言に奮起。進歩する最新医療を地域医療に活かす

 開業にあたり、身近な先輩である父から「日常の診療の中で得た知識を大切にしなさい」「24時間、患者に寄り添った医 療をしなさい」という二つのアドバイスをもらいました。今年で80歳になっても未だ現役で地域医療に身を投じ、臨床だけでなく研究者として開業してからも多くの研究論文を発表してきた父ならではの言葉だと思います。幼いころは一緒に遊ぶ時間がなく、私にとって畏怖の存在であった父なのですが、今思え ばその背中を追ってここまで来た気がします。開業すると今までの専門外来だけでなく、いろいろな病気の患者さんを経験します。プライマリ・ケアの重要性を改めて感じますが、それぞれの患者さんから新たな臨床経験をさせていただき充実した日々を送ってます。これからも患者さんを通じて日々進歩する新しい医療を学ばせていただくと共に、患者さんにしっかり寄り添いながらホームドクターとして地域医療に貢献していきたいと思います。

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◆取材協力 しまだ内科・循環器クリニック

住  所/ 福岡市中央区六本松4丁目2-2 SJR六本松2F
T E L/092-717-6771
院   長/嶋田 寿文
診療内容/内科、循環器内科、脳・血管内科
診療時間/平日  8:30~13:00 15:00~18:30
水・土 8:30~13:00
     受付は診療終了30分前まで
休 診 日/日曜日・祝日(水曜日・土曜日午後休診)
H  P / http://shimada-heart.com
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