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OffTime4月号 九州大学病院 病院訪問レポート

OffTime4月号 九州大学病院 病院訪問レポート

九州大学病院 病院訪問レポート

病院訪問
世界へ、未来へ―
より多くの人々へ貢献したい。
石橋 達朗院長
「本院の理念である『患者さんに満足され、医療人も満足する医療の提供ができる病院を目指します』をどう具体化していくか。さまざまな挑戦をしていきたいと考えています」
 約110年の歴史を通じて「診療」「教育」「研究」の進歩・発展に邁進する「九州大学病院」。全国の国立大学の中で最大規模のベッド数(福岡地区・別府地区で合計1,415床)を有し、約3,000人の職員が勤務しています。1日平均外来患者数は2,856名、年間の新入院患者数は24,662名、手術件数は9,894件を誇る同院の「今」と目指す「未来」について、病院長の石橋先生に話を伺いました。(患者数等のデータは平成25年度分です)

経営戦略と位置づけ

 平成26年度は、消費税増税の影響も大きく厳しい経営でしたが、職員一人ひとりの努力のおかげで、なんとか収支を合わせられる見込みです。最新型機器や新たな取り組みも実現しました(詳細は下記)。新年度も手術件数の増加、病床稼働率の向上、各機関との連携強化による平均在院日数の短縮を図って、西日本地域の中核的病院である本院が担うべき医療として、がんをはじめとする難治性疾患の治療(不採算分野も含む)や救急医療、移植手術などの先端医療、および再生医療や遺伝子医療の実現に、益々尽力していきたいと考えています。

組織の一体化を推進

 そのためにも、風通しが良く、楽しく仕事ができる環境が重要です。毎週、執行部で行う会議に加え、看護部やメディカルスタッフなど各部署の集まりにも参加して、様々な意見や考えを親身に聞くように心掛けています。派遣・業務委託職員を対象に前病院長の久保先生の頃から開催する「ワンコインパーティー」も好評で、百年講堂に300人程が集まって親睦を深めています。優秀な人材が、お互いに連携しながらいかんなく能力を発揮できるように、積極的なコミュニケーションを重視しています。

医療の国際化をリード

 また、4月には九州大学全体のグローバル化推進の一貫として「国際医療部」を設置します。国立大学病院全体の国際化のリーダーとして、国家戦略特区に指定された福岡市や福岡県と一緒に、最先端の遠隔医療システムの接続機関を48ケ国、346施設からさらに拡大し、外国人医師の招聘や患者さんの受け入れを含む『国際交流』の拠点としての役割を担うのです。具体的には、「海外交流センター」「アジア遠隔医療開発センター」「国際診療支援センター」を配置し、教授、准教授等も増員する予定です。

寄与できる人材を輩出

 さらに、今後力を入れたいのが教育です。初期臨床研修の必修化から約10年が経ち、医師の地域偏在や診療科偏在、医師としての倫理観や技量の低下、基礎医学に進む医師の減少などの課題を憂慮しています。本院でも、昨年度は初期研修医52名、うち本学卒業生は12名でした。そこで、2年間のうち1年間は本院で研修できるように「たすき掛け」のシステムをお願いしています。リサーチ、研究マインドをもった医師を育て、医学・医療の発展に寄与することも本院の使命です。地域医療の未来のためにも尽力いたします。
手術
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)。さまざまな低侵襲の手術を実施
遠隔医療ネットワーク
遠隔医療ネットワークの活用。今後さらなる国際化の推進を担っていく
きらめきプロジェクト
キャリアの継続を支援するきらめきプロジェクトも、職場づくりの一環
研修
回診風景。充実のプログラムで優秀な人材の育成に病院全体で取り組む

~平成26年の取り組みについて~

昨年も、積極的な取り組みで注目を集めた同院。ここで、そのいくつかを紹介したい。
■2月 【デンタル・マキシロフェイシャル センターの開設】
チーム医療により、口腔顎顔面先天異常の一貫治療、顎矯正治療や、さまざまな障がいがある成人の歯科治療を行うために開設した。
【形成外科の開設】
身体に生じた組織の異常や変形、欠損などの形成外科領域の疾患に即応でき、高度な専門治療を行うために開設した。
■4月 【トランジショナルケア外来の開設】
成人期に達した小児慢性疾患の患者さんのために、成人医療へのスムーズな移行をサポートする専門外来を全国の病院で初めて開設した。
【分子イメージングセンターにPET/MRI設置】
本院の国際水準の臨床研究の実施や、医師主導治験による臨床治験開発の中心的役割を担うことを目的として、分子イメージングセンターにPET/MRI装置を臨床研究中核病院整備事業の一環で設置した。
■8月 【次世代放射線治療装置の導入】
ノバリスシステム搭載の次世代放射線治療装置を導入し、治療を開始。脳転移など小さな病変を含め、より精密な高精度放射線治療が可能になった。これにより治療時間の短縮も実現した。
■9月 【周術期支援センターの開設】
手術を受ける患者さんが、安全かつ円滑に周術期(手術の術前、術中、術後の期間)を過ごせるよう周術期支援センターを開設し、周術期口腔ケアセンターと医科、歯科の協働による医師、歯科医師、看護師、薬剤師などの多職種のチーム医療を行っている。
差替02
PET/MRI設置(分子イメージングセンター)
開所式
周術期支援センター開所式

◆取材協力 九州大学病院

外観
住所/福岡市東区馬出3-1-1
Tel/092-641-1151(代表)
病院長/石橋 達朗
病床数/1,415床(医科1,238床、歯科37床、別府140床)
外来受付/(初診)8:30~11:00(再診)8:20~17:00
休診日/土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
診療科/●内科系:血液・腫瘍内科、免疫・膠原病・感染症内科、消化管内科、腎・高血圧・脳血管内科、内分泌代謝・糖尿病内科、肝臓・膵臓・胆道内科、心療内科、神経内科、循環器内科、呼吸器科、小児科、精神科神経科、放射線科、総合診療科、先端分子・細胞治療科●外科系:産科婦人科、消化管外科(1)・(2)、胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科、呼吸器外科(1)・(2)、乳腺外科(1)・(2)、内分泌外科、肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科、血管外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、小児外科・成育外科・小腸移植外科、皮膚科、泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、麻酔科蘇生科、形成外科●歯科系:小児歯科・スペシャルニーズ歯科、矯正歯科、歯内治療科、歯周病科、義歯補綴科、咬合補綴科、顎口腔外科、顔面口腔外科、歯科麻酔科、口腔画像診断科、口腔総合診療科、全身管理歯科
中央診療施設/薬剤部、看護部、医療技術部、検査部、手術部、医療器材サプライセンター、放射線部、救命救急センター、集中治療部、病理診断科・病理部、遺伝子・細胞療法部、冠動脈疾患治療部、腎疾患治療部、総合周産期母子医療センター、リハビリテーション部、メディカル・インフォメーションセンター、光学医療診療部、先端医工学診療部、子どものこころの診療部、臨床教育研修センター、ARO次世代医療センター、がんセンター、油症ダイオキシン研究診療センター、医療連携センター、アジア遠隔医療開発センター、グローバル感染症センター
院内措置施設/小児医療センター、ハートセンター、ブレインセンター、睡眠時無呼吸センター、再生歯科・インプラントセンター、小児救命救急センター、周術期支援センター、周術期口腔ケアセンター、デンタル・マキシロフェイシャルセンター、内視鏡外科手術トレーニングセンター、MEセンター、歯科衛生室、歯科技工室、医療安全管理部、診療録管理室、栄養管理室、臨床遺伝医療部、事務部
指定・認定/都道府県がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院、災害拠点病院、病院機能評価Ver.6.0認定他
別府地区/九州大学病院 別府病院(内科、外科、整形外科、放射線科、麻酔科等)
HP/(九州大学病院)http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/
(別府病院)http://www.beppu.hosp.kyushu-u.ac.jp/

 

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コメント

    • 仲田敦広
    • 2015年 4月 10日

    病院のお写真は国立病院機構 福岡病院のものです。九州大学付属病院のものでは御座いません。

      • otkanri
      • 2015年 4月 11日

      仲田様
      ご連絡ありがとうございます、OffTimeのウェブ担当の者です。
      申し訳ありません、正しい方の写真を差し替えました。大変ご迷惑をおかけしました。

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