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好きなこともっと 博多包丁第2弾

温度も打ち方もすべて職人の経験値
国技にも一役かう、大庭鍛冶工場の仕事

 「温度や打ち方は、作るものに対して手加減で微妙に変えます。自分が使う鋏やハンマーなんかの道具を自分で造りきれれば一人前。本気でやっても10年はかかるでしょうな。何より自分でものを作る気にならんと、応用もできません」。そう語るのは、博多の鍛冶屋、大庭利男さんである。
 大庭さん自身、2代目の父親の仕事を見よう見まねで手伝い、マニュアル化できない技術を習得してきた。「職人の世界は、見て覚えるもの。自分の頭と手足で考えながらやってみて初めて、自分のもんになる。だけど、私でも今だにこりゃあ、ようできたちゅうとは、ないですもんねえ。ようできたちゅうたら、それで終わり。その繰り返しですから」。
 実は、大相撲九州場所の土俵づくりを担う土俵鍬の製作も大庭さんが一手に引き受けている毎年11月の九州場所にあわせて、約40人の“呼び出し”さんが大庭さんがこしらえた“マイ鍬”で土俵をならすというから、鍛冶屋としての役割は大きい。また貴重な農具の資料として、10センチにも充たないミニチュアサイズの道具をこしらえたりと、大庭さんの好奇心はとどまるところを知らない。
 今や博多のみならず、全国から注文が殺到する博多包丁。刃の根元に打ちこまれた四つ目菱の紋様が何とも誇らしいではないか。毎朝8時から夕方5時まで、昼飯どきの一時間の休憩をのぞいては、3時のお茶もとらず、ひたすら鉄を打っては伸ばす大庭さん。その横顔には、職人の気概とものづくりへの喜びがあふれていた。
5月メイン
5月サブ
5月外観
●データ
大庭鍛冶工場
福岡市中央区清川3-9-21

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