社会医療法人 製鉄記念八幡病院 病院訪問レポート
職員、地域の先生方と共に、
健康長寿の社会を支えたい。
健康長寿の社会を支えたい。
「院長として、めざすのは監督でなくキャプテンのような存在。今も外来に出ていますが、現場をみて、現場で一緒に解決策を考えていきたいと思います」。
明治33年に官営八幡製鐵所の附属病院として設立以来、地域と共に歩んで116年の歴史を誇る「製鉄記念八幡病院」。年間で外来患者数14万2588人(うち救急患者数8827人)を迎え、救急車受入数3357件、手術件数は3250件(※2014年度実績)に上る同院で、今年4月に病院長へ就任された土橋先生にお話を伺いました。
職員の力を生かして
平成26年1月に、赴任して最初に感じたのが、「職員の団結力が強い」「皆が同じ方向を向いて仕事している」という印象でした。病院の歴史が長く、転勤もないので「自分たちの病院」という意識が非常に高いですね。チーム医療を実践するのに恵まれた環境であることに加え、「病院が果たすべき使命に対して、何ができるか」とそれぞれの職員が自分の立場で考える風土があるので、そこを大事にしながら、一緒にやっていきたいと考えています。
期待と信頼に応える
さらに、急性期で診た患者さん、あるいはご紹介いただいた患者さんを地域の開業医の先生方にお返しするという連携と信頼関係も非常に重要です。医療過密地帯という環境で、「製鉄病院にはプラスαがある」といっていただけるものを提供したいですね。少なくとも、お電話をいただいた時に、院長が「どうぞ!」とお応えするだけではなく、現場の医師や看護師も「どうぞ!」という気持ちで、同じ方向を向いてお受けできる環境をつくることも、私の務めだと思っています。
地域連携に一層尽力
チーム医療の点からいえば、「学び」「絆」「革新」を病院の核と掲げ、「創意と真心で日本唯一の内科病院になる」というビジョンを明確化したことが、スタート地点でした。方向性を一つにすることで、職員と一致団結して、迷わずに進むことができていると思います。特に「真心」は重要です。いわれるままのことで終わらせるのでなく、一人ひとりが積極的に、ご家族も含めて全人的な支援を目指すこと、瞬間瞬間を大切に、その時やれることをしっかりとやっていくことが、私たちの使命です。
元気で長生きを追求
また、地域の方々の健康づくりへの取り組みも強化しています。私は高血圧が専門ですが、40代や50代で、健診に引っかかったのに病院へ来られないという方は多く、60歳を過ぎて「そろそろ病院へ…」では遅いのです。本年から出前講座をスタートして、病気の知識や予防の方法について職員とお伝えしています。地域の方々が元気で長生き、医療費削減に貢献していただけるような社会づくりは当院の使命です。来院された方へのおもてなし、地域への貢献を柱に、今後も地域に根差して歩んでまいりたいと思います。
内視鏡センター。放射線部・ICUにも検査室を備え透視下検査や緊急内視鏡に対応。
リハビリテーション部にて。42名のスタッフで術前・術後の早期のリハに取り組む。
入院支援センター。他職種連携により手術に伴うリスク低減や患者さん満足を追求。
減塩イベントより。認知症、ロコモ、骨粗鬆症…と様々なテーマで出前講座を開催。
~進化する最新の脳神経医療~
同院の急性期医療において、注目を集めているのが、脳卒中などの脳神経疾患に対する取り組みです。平成17年に開設された「脳卒中・神経センター」では、脳神経外科3名、脳血管内科5名の医師が常時勤務して、看護部・放射線部・検査部・リハビリテーション部・地域医療連携室等と連携しながら、24時間365日、最新・最良の医療を追求しています。特に、rt-PAを用いた「超急性期(発症4・5時間以内)血栓溶解療法」においては、九州のみならず全国的にもトップレベルの実績を誇り、平成17年10月の認可以来、平成26年12月末時点までに229例に投与して、多くで症状の改善を得ています。また、脳血管内治療として、「破裂動脈瘤コイル塞栓術」(写真)にも取り組んでいます。
さらに、最新手術支援技術を積極的に導入して、初期対応としての超音波診断や「三次元融合画像」による詳細な術前シミュレーションを行い、「術中ナビゲーション(術者が手術中に操作している脳内の位置を、1~2ミリの誤差でリアルタイムに表示)」や「術中蛍光脳血管撮影」も積極的に活用しています。特に、脳や神経にごく微量の電流を流し、その反応を見ることで脳機能を評価する「電気生理学的脳機能モニタリング」の導入によって、術後の脳機能障害を従来とは比較にならないほど軽減しました。
術後のきめ細やかな退院サポートも含め、「最適な医療」の実現に尽力する当院の今後に、地域の期待はますます高まっています。
さらに、最新手術支援技術を積極的に導入して、初期対応としての超音波診断や「三次元融合画像」による詳細な術前シミュレーションを行い、「術中ナビゲーション(術者が手術中に操作している脳内の位置を、1~2ミリの誤差でリアルタイムに表示)」や「術中蛍光脳血管撮影」も積極的に活用しています。特に、脳や神経にごく微量の電流を流し、その反応を見ることで脳機能を評価する「電気生理学的脳機能モニタリング」の導入によって、術後の脳機能障害を従来とは比較にならないほど軽減しました。
術後のきめ細やかな退院サポートも含め、「最適な医療」の実現に尽力する当院の今後に、地域の期待はますます高まっています。
←破裂動脈瘤コイル塞栓施行症例
◆取材協力 社会医療法人 製鉄記念八幡病院
住所/北九州市八幡東区春の町1丁目1-1
Tel/093-672-3176(代表))
院長/土橋 卓也
病床数/237室453床(一般病床190室375床、ICU1室8床、緩和ケア病床16室16床、地域包括ケア病床30室54床)
職員数/831名(医師90名、看護師482名、医療技術員112名、事務スタッフ等147名)
診療科目/内科、肝臓内科、消化器内科、循環器・高血圧内科、心臓カテーテル検査科、糖尿病内科、腎臓内科、心療内科、脳血管内科、呼吸器内科、小児科、外科、消化器外科、呼吸器外科、脳神経外科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科、形成外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、緩和ケア外科、病理診断科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔ケア科
その他/がん診療センター、循環器・高血圧センター、脳卒中・神経センター、内視鏡センター、腎センター
専門外来/甲状腺外来、血液外来、膠原病外来、ペースメーカー外来、在宅酸素療法、SAS外来(睡眠時無呼吸症候群)、禁煙外来、腹膜透析外来、自律訓練、外来化学療法、乳腺外来、ストーマ外来、緩和ケア外来、放射線治療、小児肥満、小児神経、小児腎臓、小児循環器、更年期外来
診療時間/全科予約制8:00~16:00(当日予約は10:30まで)
休診日/土曜日、日曜日、祝日
認定等/地域医療支援病院、DPC対象病院、臨床研修指定病院、救急告示病院、日本医療機能評価機構認定病院(Ver.6.0)他
駐車場/530台
HP/http://www.ns.yawata-mhp.or.jp/
Tel/093-672-3176(代表))
院長/土橋 卓也
病床数/237室453床(一般病床190室375床、ICU1室8床、緩和ケア病床16室16床、地域包括ケア病床30室54床)
職員数/831名(医師90名、看護師482名、医療技術員112名、事務スタッフ等147名)
診療科目/内科、肝臓内科、消化器内科、循環器・高血圧内科、心臓カテーテル検査科、糖尿病内科、腎臓内科、心療内科、脳血管内科、呼吸器内科、小児科、外科、消化器外科、呼吸器外科、脳神経外科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科、形成外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、緩和ケア外科、病理診断科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔ケア科
その他/がん診療センター、循環器・高血圧センター、脳卒中・神経センター、内視鏡センター、腎センター
専門外来/甲状腺外来、血液外来、膠原病外来、ペースメーカー外来、在宅酸素療法、SAS外来(睡眠時無呼吸症候群)、禁煙外来、腹膜透析外来、自律訓練、外来化学療法、乳腺外来、ストーマ外来、緩和ケア外来、放射線治療、小児肥満、小児神経、小児腎臓、小児循環器、更年期外来
診療時間/全科予約制8:00~16:00(当日予約は10:30まで)
休診日/土曜日、日曜日、祝日
認定等/地域医療支援病院、DPC対象病院、臨床研修指定病院、救急告示病院、日本医療機能評価機構認定病院(Ver.6.0)他
駐車場/530台
HP/http://www.ns.yawata-mhp.or.jp/
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