医療法人社団 福光会 福田眼科病院 病院訪問レポート
眼を病む人のもとへ、
安心と笑顔を届けたい。
安心と笑顔を届けたい。
今でも職員とともに診療に立つ。「一人でも多くの方に、喜んで、笑顔になっていただけることが原動力です」(平成26年撮影)
今年8月1日に、開院50周年の節目を迎えた「福田眼科病院」。チーム医療と地域連携のもと、年間2,200症例以上の手術を行い、看護師の育成や学校検診にも邁進する一方、全国の先駆けとなった「眼科の離島診療」にも力を入れています。患者さんのために、全力を懸けるその歩みと思いについて、理事長である福田先生にお話を伺いました。
眼科医療のない島へ
昭和38年、私が九州大学の眼科教室にいた頃に、開業医の先生の相談を受けて、宇久島を訪れたのが最初のきっかけでした。医療環境に恵まれない中、眼科となるとさらに深刻で、当時は適切な診療が受けられずに失明する方もおられたのです。早速、無料で診療を行い、その後も伊良部島、屋久島、種子島…とあちこちを訪問しましたが、「一つの島で継続的に診た方が役立つのではないか」と思いましてね。昭和60年に宇久島に絞り、平成8年から隣の小値賀島も加えて、今まで続けてきました。
医療者としての使命
現在は、毎年7月・8月の無料診療に加え、地元の希望で隔月、有料の出張診療も行っています。耳鼻科(23年継続・松田孝一先生)、内科、小児科等の先生方も参加頂くようになりました。毎回、約30人の職員を連れ、機材や薬剤から移動費、宿泊費まですべて負担するのは大変ですが、お金ではありません。医師の育成も、医療自体も国のお金で支えられている以上、社会に還元するのは当然と考えてきました。現地でも、初めは「なぜ無料なのか」「研究目的ではないか」という声がありましたが、今では喜んで迎えて頂き、医師冥利に尽きる思いです。
医の原点に立ち返る
さらに、嬉しいのが職員たちの姿です。病院の中で働いている時と、眼の輝きから違います。設備の整った環境でなく、会場の設営から行う中で、医師も看護師も色々なことを考えるんですね。毎回、島の住民課の方々と一緒に打ち上げをするのですが、若い人たちが後ろで「来てよかった」「医の原点を考える機会になった」「看護師をめざした理由を考えた」と話しているのが耳に入るのです。実際、離島診療で我々が与えられるものは多く、かけがえのない研修の場にもなっていると感じます。
制度化による充実を
とはいえ、個人で行うことには限界があります。実際に、画像をみて指示ができるように静止画像の電送システムをつくったのですが、現地の医療機関も人手不足でなかなかデータが送られてきません。今まで、離島診療についてさまざまな表彰を頂いたときも、私自身は貰わなくてもいい位で、「少しでも皆様に関心をもってもらえたら」と願ってきましたが、それも遅々たる歩みであることは残念でなりません。今後、政治的・制度的にも、さらに医療充実への取り組みが進むように、一層励んでまいりたいと考えています。
毎回、車両2台で病院を出発。フェリーに乗り、準備して翌朝から1日診療を行う。
150名以上の方々が診療を待つ。昨年、小値賀島での診療は100回を越えた。
「来場できない方にも受診してほしい」との想いからグループホームへの往診も実施。
前・宇久町長直筆の感謝状。「嬉しかったですね。お役に立てる喜びを力に邁進します」。
~開院50周年の歩み~
昭和40年、木造モルタル2階建ての有床診療所からスタートした同院。「一人ひとりを大切に」患者さんに寄り添う診療が評判を呼び、19床の病床は常に満床、外来患者も1日400名を超す日々だった。当時から慰安旅行を行い、職員を思い遣る姿勢は今も変わらない。多忙ながらも笑顔あふれる当時の写真が、多数残っている。
その後、「地域の眼科との協力にオープンシステムが必要」との考えから、昭和61年に「福田眼科病院」(38床)を設立。眼科開業の先生方と連携して診療や手術を行うシステムは、患者さんの好評を得た。活発な意見交換や、開業にかける気迫に刺激を受けたことも、エネルギーとなったという。職員の勉強会を行い、研鑽を重ねる一方、地元の祭りに参加するなど、地域との絆も深めていった。離島診療や学校保健の取り組みにおいて、「医療功労賞」「日本眼科医会会長賞」「保健文化賞」など、数多くの表彰を受けたのは平成の時代である。クリニックや特別養護老人ホーム他、関連施設とも連携して、「患者さんのもとへ」という同院の理念が実現されていった。
そして現在。職員数100名、OCTほか最新の検査機器も揃え、1日の外来平均患者数は187人、年間手術数は2,400例(白内障、硝子体、緑内障、斜視等)に達する。視力矯正法として注目される「オルソケラトロジー」など、新たな治療にも積極的に取り組む日々だ。
「医師の道をめざしたからには、同僚の行かない眼科へ行って、役に立とうと思った」と眼科へ進んだ理由を語った福田理事長。その初心のままに、さらなる眼科医療の充実へ歩みを進める同院に、ますます期待と信頼が高まっている。
その後、「地域の眼科との協力にオープンシステムが必要」との考えから、昭和61年に「福田眼科病院」(38床)を設立。眼科開業の先生方と連携して診療や手術を行うシステムは、患者さんの好評を得た。活発な意見交換や、開業にかける気迫に刺激を受けたことも、エネルギーとなったという。職員の勉強会を行い、研鑽を重ねる一方、地元の祭りに参加するなど、地域との絆も深めていった。離島診療や学校保健の取り組みにおいて、「医療功労賞」「日本眼科医会会長賞」「保健文化賞」など、数多くの表彰を受けたのは平成の時代である。クリニックや特別養護老人ホーム他、関連施設とも連携して、「患者さんのもとへ」という同院の理念が実現されていった。
そして現在。職員数100名、OCTほか最新の検査機器も揃え、1日の外来平均患者数は187人、年間手術数は2,400例(白内障、硝子体、緑内障、斜視等)に達する。視力矯正法として注目される「オルソケラトロジー」など、新たな治療にも積極的に取り組む日々だ。
「医師の道をめざしたからには、同僚の行かない眼科へ行って、役に立とうと思った」と眼科へ進んだ理由を語った福田理事長。その初心のままに、さらなる眼科医療の充実へ歩みを進める同院に、ますます期待と信頼が高まっている。
←地域の祭りに参加する職員。まちとともに歩んだ50年。
←院長・江島先生の硝子体・白内障手術は7,000例を突破。
◆取材協力 医療法人社団 福光会 福田眼科病院
住所/福岡市早良区藤崎1丁目24-1
Tel/093-841-2345(代表)
理事長/福田 量
院長/江島 哲至
診療科目/眼科
専門外来/コンタクト外来
診療受付/(午前)9:00~12:00(午後)14:00~17:30
※土曜午後は14:00~16:00
休診日/日曜、祭日、お盆(8/14~16)、年末年始(12/31~1/4)
病床数/一般病床38床(個室8室、2人部屋1室、4人部屋7室)
職員数/100名(医師19名(常勤3名/非常勤16名)、薬剤師2名、看護スタッフ33名、看護助手17名、視能訓練士8名、管理栄養士1名、事務職員15名、非常勤事務職員5名)
駐車場/15台
関連施設/ふくだ眼科クリニック、福田眼科クリニック、福田眼科二丈クリニック、
レディスコンタクト、特別養護老人ホーム 啓寿園、社会福祉法人 野の花学園(知的障害者施設)産業医
HP/http://www.fukudaganka.jp
Tel/093-841-2345(代表)
理事長/福田 量
院長/江島 哲至
診療科目/眼科
専門外来/コンタクト外来
診療受付/(午前)9:00~12:00(午後)14:00~17:30
※土曜午後は14:00~16:00
休診日/日曜、祭日、お盆(8/14~16)、年末年始(12/31~1/4)
病床数/一般病床38床(個室8室、2人部屋1室、4人部屋7室)
職員数/100名(医師19名(常勤3名/非常勤16名)、薬剤師2名、看護スタッフ33名、看護助手17名、視能訓練士8名、管理栄養士1名、事務職員15名、非常勤事務職員5名)
駐車場/15台
関連施設/ふくだ眼科クリニック、福田眼科クリニック、福田眼科二丈クリニック、
レディスコンタクト、特別養護老人ホーム 啓寿園、社会福祉法人 野の花学園(知的障害者施設)産業医
HP/http://www.fukudaganka.jp
◎離島診療チームです!活動の内容はHPからもご覧ください。
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