独立行政法人 労働者健康安全機構 九州労災病院
最後の砦としての地域の期待、勤労者医療への使命に応えて。
「よい医療には、コミュニケーションが欠かせません。常に患者さんを第一に考え、当院の
理念である『共に創り出す安全で良質な医療』を目指していきたいと思います」。
平成27年度の1日平均入院患者数は一般病棟386·5人、 1日平均外来患者数は851·9人、平均在院日数14·6人。4年前の新築移転以来、病院機能の充実と地域連携の強化へさらに邁進を続ける「九州労災病院」の今について、今年4月に10代目病院長へ就任された岩本先生にお話を伺いました。
一体感とコミュニケーション
昭和54年、55年に当院の整形外科に研修医として勤務して以来、36年振りの里帰りです。当時から症例が大変豊富で、手術も多く経験させていただいて、スタッフも協力的で…と、良い印象が強くありましたので、お話を受けた時はとても嬉しく思いました。建物が変わり、施設が充実して職員の数も増えましたが、職種間の一体感や、院内外でコミュニケーションを積極的に取ろうとする姿勢は、当時から変わりません。例えばエレベーターに乗った時も、必ず皆が声掛けをする習慣がある、その活発な空気はとても良いと思います。
あるべき姿へ歩みを続ける
現在、力を入れているのは、地域基幹病院としての役割の強化、「救急医療」と「がん診療」の充実です。そこで、今年4月には「救急科」と「骨軟部腫瘍外科」を新設しました(詳細は下記)。また、当院が長年担ってきた「勤労者医療」の推進も欠かせません。終戦直後に比べれば、労務管理は大幅に改善され、労働災害は激減しています。しかし、依然としてある以上、我々には守る役割があります。当院に求められる役割に応えるべく、職員と共にさらに追求していきたいと考えています。
キーワードは「社会復帰」
そこで、改めて強みとなるのが、当院が国内発祥の地であるリハビリテーションと連携した「職場復帰」への取り組みです。日本人男性の1/2が罹患するがんを例にしても、昔こそ不治の病でしたが、今や化学療法や放射線治療を外来で受けながら働き、多くの方が職場復帰をする時代です。救急医療においても同様、全科で連携しながら、早期リハビリによる職場復帰・社会復帰に取り組んできた当院は、率先してユニークな取り組みをやるべきであり、当院の「勤労者医療」にはそういう意味での使命もあるかと思います。
患者さん一人を地域で守る
おかげさまで、年々、地域の先生方からの紹介率も上がっております。「九州労災病院であれば助かる」と患者さんを送ってくださるわけですから、断らない病院づくり、がっちりと受け止めて全力を尽くす体制もさらに推進したいですね。院内での連携強化はもちろん、合同カンファランス等で、患者さんの正しい情報を共有する場もさらに作っていきたいと考えています。顔と顔をつきあわせて、地域一丸となって一人ひとりの患者さんへ良い医療を提供できるよう、尽力してまいります。
~急性期医療とがん診療の強化~
ここでは、今年4月に新設された「救急科」「骨軟部腫瘍外科」について、ご紹介します。
● 救急科
「小倉南区随一の急性期病院として地域のニーズに応えたい」と語るのは救急科副部長の松本泰幸先生。スタッフ7名(医師2名、診療看護師1名、認定看護師1名、専属看護師2名)で、共に、『断らない医療』の一翼を担っている。同院の救急車の受け入れ台数は年々増加しており、昨年度は年間3200件、今年はさらに上回るペースだという。「既に認知の高い脊椎損傷に対する治療に加え、今春から脳血管内治療の先生もお迎えして、専門領域での対応の幅がさらに広がりました。また、災害拠点病院に指定され、4月にはDMATの要請を受けて熊本地震の被災地への医療支援も行いました。ヘリポート活用も含め、拠点病院の一つとしてさらに貢献していきたいと思います」。
● 骨軟部腫瘍外科
「がんの領域の一つである骨肉腫の推定罹患率は人口10万人あたり0·5人(推定)、軟部肉腫は3·1人(推定)。その希少性から、医療関係者にも骨軟部腫瘍に対するなじみがなく、どの医療機関へ紹介すべきか迷われる方が多いのが課題です」とは、骨軟部腫瘍外科部長の松延知哉先生。「主な治療法は手術による外科的切除です。骨軟部腫瘍は全身あらゆる部位に発生します。切除に際しては機能障害を最小限に止めるため、腫瘍発生部位の解剖学的特徴を熟知する必要があります。当院整形外科は23名ものスタッフがおり、切除後の関節再建や脊椎腫瘍による急性麻痺など幅広い発生部位への対応が可能です」。骨肉腫は極めて稀な病気だが、非腫瘍疾患を含む『しこり』に遭遇することは稀ではない。「疑いがあれば、ぜひ当院を思い浮かべていただければ幸いです」。
● 救急科
「小倉南区随一の急性期病院として地域のニーズに応えたい」と語るのは救急科副部長の松本泰幸先生。スタッフ7名(医師2名、診療看護師1名、認定看護師1名、専属看護師2名)で、共に、『断らない医療』の一翼を担っている。同院の救急車の受け入れ台数は年々増加しており、昨年度は年間3200件、今年はさらに上回るペースだという。「既に認知の高い脊椎損傷に対する治療に加え、今春から脳血管内治療の先生もお迎えして、専門領域での対応の幅がさらに広がりました。また、災害拠点病院に指定され、4月にはDMATの要請を受けて熊本地震の被災地への医療支援も行いました。ヘリポート活用も含め、拠点病院の一つとしてさらに貢献していきたいと思います」。
● 骨軟部腫瘍外科
「がんの領域の一つである骨肉腫の推定罹患率は人口10万人あたり0·5人(推定)、軟部肉腫は3·1人(推定)。その希少性から、医療関係者にも骨軟部腫瘍に対するなじみがなく、どの医療機関へ紹介すべきか迷われる方が多いのが課題です」とは、骨軟部腫瘍外科部長の松延知哉先生。「主な治療法は手術による外科的切除です。骨軟部腫瘍は全身あらゆる部位に発生します。切除に際しては機能障害を最小限に止めるため、腫瘍発生部位の解剖学的特徴を熟知する必要があります。当院整形外科は23名ものスタッフがおり、切除後の関節再建や脊椎腫瘍による急性麻痺など幅広い発生部位への対応が可能です」。骨肉腫は極めて稀な病気だが、非腫瘍疾患を含む『しこり』に遭遇することは稀ではない。「疑いがあれば、ぜひ当院を思い浮かべていただければ幸いです」。
屋上ヘリポートからの搬送・受け入れ件数も増加。
手術部とも密に連携して医療ニーズに応えている
『緑化エコロジーガーデン』導入で院内は気になるニオイもなく”癒しの空間”。
専門看護師・認定看護師は16名!院内外での教育・啓蒙活動で活躍。
義肢装具士(常駐)による急性期対応や復職へのアプローチも同院の強み。
毎月1回、脳卒中勉強会や患者会(参加無料)を実施。資料はHPで公開中。
◆取材協力 独立行政法人 労働者健康安全機構 九州労災病院
住 所/北九州市小倉南区曽根北町1番1号
T E L/093-471-1121(代)
病院長/岩本 幸英
病床数/450床
診療科目/内科(呼吸器内科、糖尿病代謝内科、血液内科を含む)、消化器内科(肝臓内科を含む)、循環器内科、精神科・ストレス科、神経内科(脳血管内科、老年内科を含む)、小児科、外科(呼吸器外科、内視鏡外科を含む)、消化器外科(内視鏡外科、肝胆膵外科を含む)、整形外科(スポーツ整形外科、リウマチ整形外科、関節外科、脊椎外科、外傷整形外科、手外科、骨軟部腫瘍外科を含む)、脳神経外科、皮膚科・形成外科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科(言語障害診療科を含む)、放射線科、病理診断科、救急科、麻酔科
専門センター/勤労者骨・関節疾患治療研究センター、勤労者メンタルヘルスセンター、勤労者脳神経センター、アスベスト疾患センター、関節再建センター
外来受付/(午前)8:15~11:00 ※全科予約制 ※急患は随時受け入れ
休診日/土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
指定・認定等/災害拠点病院、福岡県DMAT指定医療機関、救急告示病院、労災指定病院、臨床研修病院、地域医療支援病院、日本医療機能評価機構認定病院 他RECOMMEND/ 広報誌「九労ハロー」「ろうさい通信」はHPから閲覧・ダウンロード可能です。ぜひご覧ください。
T E L/093-471-1121(代)
病院長/岩本 幸英
病床数/450床
診療科目/内科(呼吸器内科、糖尿病代謝内科、血液内科を含む)、消化器内科(肝臓内科を含む)、循環器内科、精神科・ストレス科、神経内科(脳血管内科、老年内科を含む)、小児科、外科(呼吸器外科、内視鏡外科を含む)、消化器外科(内視鏡外科、肝胆膵外科を含む)、整形外科(スポーツ整形外科、リウマチ整形外科、関節外科、脊椎外科、外傷整形外科、手外科、骨軟部腫瘍外科を含む)、脳神経外科、皮膚科・形成外科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科(言語障害診療科を含む)、放射線科、病理診断科、救急科、麻酔科
専門センター/勤労者骨・関節疾患治療研究センター、勤労者メンタルヘルスセンター、勤労者脳神経センター、アスベスト疾患センター、関節再建センター
外来受付/(午前)8:15~11:00 ※全科予約制 ※急患は随時受け入れ
休診日/土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
指定・認定等/災害拠点病院、福岡県DMAT指定医療機関、救急告示病院、労災指定病院、臨床研修病院、地域医療支援病院、日本医療機能評価機構認定病院 他RECOMMEND/ 広報誌「九労ハロー」「ろうさい通信」はHPから閲覧・ダウンロード可能です。ぜひご覧ください。
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