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offtime2月号 医療法人 小倉蒲生病院 病院訪問レポート

医療法人 小倉蒲生病院 病院訪問レポート

0028-02-11 11.30.11
地域の精神科医療の砦として、
<その人らしく生きる>支えを。

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「倒れそうになっている人を支えて、その人らしさを取り戻してあげたい。
 地域の中で満足した生活を送ってほしいという気持ちです」。
 昭和33年の創立以来、地域における精神科医療の拠点として歩みを続ける「小倉蒲生病院」。
 認知症、うつ病、不眠症、統合失調症…と様々な精神科領域の病気に対して広く対応し、外来から入院、リハビリ、社会復帰まで積極的に関わる同院の取り組みについて、院長の井田先生にお話を伺いました。

求める声に先駆けて

 精神科の分野では、少子化に伴い統合失調症の患者数が減少しており、今は“認知症とうつ病の時代”といわれています。当院は20年以上前から、認知症治療病棟、認知症デイ・ケア、ものわすれ外来、ストレスケア病棟…と地域に先駆けて開設して、医療サービスの充実と質の向上に力を入れてきました。平成20年に、北九州市の委託を受けて開設した「認知症疾患医療センター」では、認知症の早期発見・早期診断および適切な治療・ケアの提供に取り組み、年間延べ5︐500名を超える方にご利用いただいています。

地域での生活を支援

 また、精神科急性期治療病棟を備え、医師5名という規模の北九州市内の精神科において、トップクラスに治療が早いことも当院の特徴です(一ヶ月あたりの入退院の平均患者数は40名※平成26年度)。豊富な臨床経験、チーム医療、地域との連携を生かし、一日も早く社会・家庭・地域へ復帰できるように患者さんを支えることが、結果的に病院の評価を高め、多くの患者さんに来ていただけるきっかけになっていることは、とてもありがたいと思っています。

信頼・安心・満足へ

 大切なのは、「診断」と「見立て」です。一つの病気にも様々な要因が絡み合う中で、どの部分を治療すべきかを診る。次に、治療法や経過を十分に説明して、安心していただく。私は毎回、「あと10日待てば、気分が晴れて来ます」などと具体的にお伝えします。実際に、一定期間の通院や入院が必要な場合も、時間の経過と共に病気の症状は必ず軽快し、病気によっては完治します。病気に悩み、苦しむ人に全力を尽くし、その人らしい満足した生活を送れるように支えたいという想いが、常に原動力となっていますね。

常に「その先」をみる

 今後、地域医療のネットワークを広げ、社会的状況の変化に対応しながら、さらに地域に必要とされる病院としての機能を充実させるためには、「情報の共有化」も欠かせません。院内に関して云えば、一人の患者さんに対して、病院全体としてどう関わっていくか、地域の様々な支援をどう生かしていくか。職員全員が共通の認識を持っていれば、「見立て」ができ、安心して次の手を打つことができます。この一年も、職員と共に、また一歩前へ進む年にできたらと考えています。
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アルファ21など、最新の設備を備える「ストレスケアセンター」。
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在宅支援室では、地域と連携して様々な相談に応え、情報を発信。
03_学会発表
学会発表にて。委員会活動や研修、臨床実習の受け入れも盛んに。
04_リハビリ
ふうせんバレーボール大会の参加など、リハビリも通して早期復帰へ。

~認知症とうつ病への取り組み~

 現在、65歳以上の7人に1人が発症するといわれている「認知症」。「ものわすれ外来」も北九州市内で45医療機関に広がり、「認知症疾患医療センター」も併設する小倉蒲生病院では、新患だけで年間四百名を超えるといいます。「15年前と今で、認知症を取り巻く環境は雲泥の差です」とは、院長の井田先生。「最初の頃は、誰が見ても認知症という方が、ご家族に連れられて来院されることがほとんどでした。近年は、情報の量も一般市民の方々の意識も変わり、初期の方や、軽度認知障害も含めた『認知症予備軍』の方のご来院が増えています。インターネットなどで症状を調べ、『父は、レビー小体型認知症ではないですか』と先に診断してこられる方もおられます。セカンドオピニオンも増えていますね。医学も進歩して、認知症は現在、ある程度の診断がつくため、予後も治療法もわかります。今は、残存機能を生かしてQOLの質を高める対症療法が中心ですが、近い将来、ワクチン療法などによる根本的な治療も可能になるでしょう」。
 同院では、「うつ病」や「ストレス病」を対象とする専門病棟「ストレスケアセンター」も、平成11年の開設以来、多くの利用者を集めています。
 「心が疲れ、病んでいる人を深く理解し、癒しを提供して早期の社会復帰を目指すことを病棟理念に掲げ、『癒しのケア』を提供しています。ただ、うつ病も認知症も、情報過多による弊害も生まれている現実があり、情報整理が必要です。周囲が認知症だと思っていたら、実は老年期のうつ病や妄想性障害などの精神疾患であるケースは少なくないのです。啓蒙や情報の発信にも、一層力を尽くしたいと思います」。
06_pickup上_簡易テスト
認知症疾患医療センターの相談は無料。HPでは、認知症の簡易チェックテストも公開。
07_pickup下_ストレスケア
まるでホテル!! 全室個室のゆとりある空間で癒しを提供するストレスケアセンター。

◆取材協力 医療法人 小倉蒲生病院

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住所/北九州市小倉南区蒲生5丁目5番1号
Tel/093-961-3238
理事長/西島 英利
院長/井田 能成
診療科目/精神科、神経内科
病床数/254床
診療時間/ (午前)9:00~12:00 (午後)13:30~17:00
※新患全予約制(月~金) ※土曜午後は休診
休診日/土曜日午後、日曜日、祝祭日、年末年始
特殊外来/睡眠外来、パーキンソン外来、ものわすれ外来
関連施設/小倉南看護専門学校、介護老人保健施設「しあわせの里」、精神障害者グループホーム「ひまわり荘」、介護保険支援センター「しあわせ」、訪問看護ステーション「しあわせ」、ヘルパーステーション「しあわせ」、重度認知症患者デイケア
HP/http://kokura-gamou.jp/
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