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OffTime2月号 独立行政法人 国立病院機構 福岡病院 病院訪問レポート

独立行政法人 国立病院機構 福岡病院

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守るべき人を守る医療、 次世代を育む使命に応えて
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「全体的にレベルアップをしていくこと、医療については次の世代をしっかり育てていくことに、大きく力を入れています」。
大正15年の福岡市屋形原病院に始まり、昭和46年に国立療養所南福岡病院へ、さらに平成16年に独立行政法人化へと進みながら、呼吸器・アレルギー・小児医療を中心に先駆的役割を果たしてきた「独立行政法人 国立 病院機構 福岡病院」。
地域とともに歩みながら、社会と時代の先をみつめ、おもいやりある良質な医療・看護・介護を追求し続ける同院の”今”について、院長の岩永先生にお話を伺いました。

療養環境の充実

この2年間で、重症心身者病棟、一般病棟の新築が完成しました。
昭和40年代の建造物で、 豪雨の時には平屋建ての屋根が抜けかけて大変だったのが、明るく、清潔で安心な環境に生まれ変わり、患者さんからも大変評判がいいですね。
特に、障害者病棟には、生まれた時から脳性まひなどで、40年以上、入所しておられる方も多くいます。
通いながら一生懸命に看ておられる親御さんたちも「待っていました」と大変喜ばれて、やっとここまではきた、という思いです。

想像力を養う

今後は、さらに中身を充実させていくべく、非常勤職員を含め約450名の職員で一丸となって取り組む毎日です。
私も現役の医師の頃と同じように、フットワーク軽く、どこへでも足を運んで、いろんな人の意見を聞くことを心掛けています。
また、当院の標語に「おもいやり」とあるように、すべての患者さんに対して、できるだけ不自由なく受け入れること。
特に、高齢化社会で介護を受ける方も増えてくる中、
「現在のその人の姿だけでなく、その人の過ぎ越してこられた人生を思い、敬意をもって医療・看護・介護に取り組みなさい」と職員に伝えています。

病院の特性と方向性

当病院の特性を考えるとき、大きく3つのことが大切だと考えています。
1つ目は日本の人口構成が高齢化にシフトしていることから、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、肺がんなどの呼吸器疾患、関節リウマチなどの膠原病、心不全などの循環器疾患などに対応することです。
2つ目は、少子化世代を健やかな大人に育てる責務で、ことにアレルギーと呼吸器感染症の克服が小児科の課題です。
3つ目は、 セーフティネットとしての重症心身障害医療であり、「守るべき人を守る医療」を引き続きしっかりやって行きたいと思います。

地域と共に歩む

なお、地域の方々のご要望により、昨年末より、最寄バス停から病院まで、約300mの道の拡幅工事が始まりました。
また、定期バス路線が入れるようになれば、利便性も大きく向上します。
さらに、駐車場の拡張、借景としている池のほとりに桜を植えることも構想しています。
建て替えの工事で切ってしまったのですが、ここは春の桜並木がきれいで、当院といえば、桜を思い出される方や職員OBも多いんです。
近隣の特別支援学校や医療・介護 施設ともさらに連携を深めながら、未来の一手を打ち続けていきたいと考えています。
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広々と明るい新病棟。環境が整い、職員のモチベーションも大きく向上。
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呼吸器外科は肺がんの手術を中心として集学的治療に取り組む。
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恒例のサマーキャンプや水泳教室。
喘息に加えアレルギーや肥満もケア。
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市民公開講座。
アレルギーや呼吸器感染症など、さまざまなテーマを取り上げる。

~時代のニーズとめざす医療~

平成11年、国立療養所時代の再編成計画の見直しによって、政策医療として1免疫異常の基幹施設、2成育、重症心身障害医療の専門施設、3呼吸器疾患の専門施設としての機能が付与された同院。
高度で専門的な医療、臨床研究や情報発信の役割を担う取り組みについて、一部紹介したい。
1免疫異常
気管支喘息の全国的増加、アレルギー性鼻炎や食物抗原などによるアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の増加に対し、多くの診療科の協力と統合によって、治療と原因究明を行う。
最近では食物アレルギーの増加に伴い、エピペンの講習会や食物アレルギー教室も開催。
関節リウマチをはじめとする膠原病診療も生物学的製剤の進歩により大きく前進。
2成育、重症心身障害医療
平成18年、国立病院機構では初めて重症心身障害病棟を障害者自立支援法に基づく療養介護事業へ移行。
超重症児・者や準超重症児・者を多く抱え、全国で最も人工呼吸器使用の多い重症心身障害者病棟の一つとなっている。
また、新規入所者の低年齢化と入所者の高齢化の二極化に対応しつつ在宅支援にもに力を入れ、医療的ケアの必要な通所者を積極的に受け入れている。
3呼吸器疾患
呼吸器内科は喘息、慢性閉塞性肺疾患をはじめ、呼吸器感染症、間質性肺炎、睡眠呼吸障害などを、多くの呼吸器専門医のもとに診療。
在宅酸素療法、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)などの専門性も高い。
呼吸リハビリテーションも特徴の一つで、QOL、ADLの維持拡大をめざす。
循環器内科の協力により心不全や肺高血圧症、歯科の協力により嚥下障害もケア。
呼吸器外科は肺がんや膿胸などの手術および術後の長期フォローが特徴。
小児科は喘息や呼吸器感染症を中心に呼吸器・アレルギー疾患の診療と臨床研究に熱心で、小児科専門医も多い。
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昭和46年から空中花粉調査を実施。
九州各県医師会と協同して、花粉症分野の中核を担う。
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カンファレンスの模様。
職種や診療科の枠を越えた連携とチームワークで取り組む日々。

◆取材協力 国立病院機構 福岡病院

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住所/福岡市南区屋形原4丁目39番1号
Tel/092-565-5534
病院長/岩永 知秋
病床数/360床(内訳)一般230床(内科・外科180床、小児科50床)、重症心身障害130床
診療時間/(午前)8:30~10:30(午後)13:00~15:00
※循環器内科の午後の受付は12:30~
※心療内科の受付は木曜13:00~(完全予約制)
※小児科の午後の受付は予約制
※土曜日は9:00~10:30(紹介のみ)
休診日/日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
診療科/内科、心療内科、精神科、神経科、呼吸器内科、循環器内科、アレルギー科、リウマチ・膠原病内科、小児科、外科、(整形外科)、皮膚科、耳鼻咽喉科、放射線科、歯科、(麻酔科)16診療科
※( )は標榜のみ
その他/いびき外来、アルコール外来、禁煙外来、CT外来
指定医療/健康保険及び国民健康保険、高齢者医療、喘息、結核予防法、小児ネフローゼ、労災保険、生活保護法、療育医療、原爆医療
HP/http://www.fukuoka-nh.jp

 

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