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伝統のひとときにひたり、
一期一会のめぐりあい
故郷のおじいちゃん先生に感動して
一念発起 ― 薬剤師から医師へ
髙見先生が心から尊敬する方は、現在のボスの才津先生と他所の肝臓専門の施設へ移ることを許してくれた長崎医大時代の恩師の兼松先生のお二人。初代『日本肝胆膵外科学会高度技能専門医』を取得した際、兼松先生から外科医用のハサミと「よく頑張った」のメッセージを受け取り、髙見先生は号泣。
患者さま第一と熱心に語る髙見先生。
まずは父親のすすめで薬剤師になる
父は愛媛県今治市のタオル屋でした。糸屋や繊屋といった零細企業の街で経済のあおりを直接受ける父は、娘にはそうならない仕事をと、薬剤師になることを望みました。その通り薬剤師になると、今度は手元から嫁に出したいと強引に地元の病院に就職を決めてきましたが、その病院で理事長先生に出会いました。脳梗塞で身体が御不自由なのに、どうしてもその先生をと患者様が来られ、お二人で静かにお話される、その光景の美しさに感動しました。「あんなお体になっても望まれる仕事ってなんだ」と父の言いなりに生き、自分の存在意義に疑問を抱いていた私は次第に医師という職業に憧れるようになりました。
憧れをかたちに、医学部に合格する
頑張ればどうにかなると思い、9月の誕生日から翌年の3月までの半年間、薬剤師の仕事を続けながら、医学部受験のための勉強をしました。父はどうせ駄目だろうし、落ちた時にはだまって嫁に行くだろうと受験を許してくれました。
ところが意に反し、長崎大学医学部に合格。結局、薬学部4年、医学部6年の10年間、父には学費など多大な負担をかけることになりました。
マイクロ波治療に出合う
長崎大学医学部の医局からスタートし、教授と九州医療センターの外科部長が先輩後輩という御関係で、当センターに研修に参りました。その時、日本で初めて肝臓癌治療にマイクロ波を採用した現在のボス才津先生に出会いました。局所へのパワーの高さと理にかなったマイクロ波治療を究めようと6年目に当センターに改めて就職。体力的にハードということもあり外科で女医は希少ですが、何より私は手術が好きで、長い手術のあとも何故だか疲れないのです。
初代技術認定医の資格を取得する
マイクロ波治療への偏見と外科女医である私への風当りの強い時期、それを打破するチャンスがあらわれました。それが技術認定医(日本肝胆膵外科学会高度技能専門医)の資格試験です。筆記試験ではなくノーカットの手術ビデオによる技術認定試験です。肝臓外科医として認めてもらうには「コレダ!」と思いました。5年後の初代資格取得を目指して、手術そして手術と研鑚の毎日。講習会は7,800人と人が溢れ返っていました。たくさん欲しい人がいる中、フタを開ければ、初代合格者は全国で12人、うち紅一点が私でした。先生方にも理解者が増え、取得して本当に良かったと思います。しかし「婚活よりも肝切」をモットーに、気付けば既に45歳になっていました。
◆DATA 独立行政法人 国立病院機構 九州医療センター
住 所/福岡市中央区地行浜1丁目8番1号
T E L/092-852-0700(代表)
院 長/村中 光
診察科/
内科(総合診療科・代謝内分泌内科・血液内科・膠原病内科・免疫感染症内科・腎臓内科・高血圧内科・腫瘍内科)、精神科、神経内科(脳血管神経内科・脳血管内治療科)、呼吸器科、消化器科、循環器科、リウマチ科、小児科、外科(消化管・肝胆膵・乳腺)、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科(心臓外科・血管外科)、小児外科、皮膚科 アレルギー科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、救急科、臨床検査部、病理診断科
主な機能/
地域医療支援病院、広域災害九州ブロック拠点病院(福岡県基幹災害拠点病院)、
地域がん診療連携拠点病院、救急告示病院、エイズ九州ブロック拠点病院、単独型臨床研修指定病院、
病院機能評価認定病院、BFH(Baby Friendly Hospital)認定病院、DPC導入病院、
治験中核病院・拠点協議会参加施設、文部科学省研究補助指定病院、ISO9001認証(薬剤科)、
臨床修練指定病院、臨床研究センター、地域医療研修センター、地域周産期母子医療センター、
ドクターヘリによる救急患者受入、新型インフルエンザ等対策特別措置法指定公共機関
付属施設/国立病院機構九州医療センター附属福岡看護助産学校
病床数/702床(一般650床/精神50床/感染症2床)【 ICU 8床/HCU 8床/NICU 9床 】
診療受付/8:30~10:30 ※予約再来の方は8:00~10:30、紹介状持参の方は8:30~11:30
休診日/土曜日・日曜日・祝日および年末年始 (12月29日〜1月3日)
H P/http://www.kyumed.jp
HPより病院広報誌「KMCニュース」を閲覧・ダウンロード可能です。
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