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OffTime1月号 久留米大学病院ドクターヘリチーム 病院訪問レポート

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久留米大学病院ドクターヘリチーム

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人へ、地域へ、全国へ―― 。
空を駆けて、命をつなぐ挑戦。
平成13年度に全国で5番目、九州で初めて導入以来、今年でドクターヘリの運航12周年を迎える久留米大学病院。
試行錯誤を重ねながら全国のモデルとなるノウハウを確立し、〝空からの救急医療″をリードしている同院について、救命救急医療の現場で、ドクターヘリ導入当時から、チームを率いて活用に尽力される病院長の坂本先生にお話を伺いました。

ヘリ黎明期からの歩み

1960年代、ドイツで交通死亡事故の急増を背景に導入されたドクターヘリについては、早くから国内でも導入を検討する声が上がっていました。
離島や山間へき地など、医療過疎地が多い日本には必要不可欠であったからです。
そして、阪神・淡路大震災の苦い教訓―甚大な被害にも関わらず、発災当日にヘリコプターで搬送された患者は1人だった―を機に、平成13年に「ドクターヘリ導入促進事業」がスタートした同年末、当院もいち早く導入を決定しました。
当時は、研修施設もなく、ゼロからの運航開始でした。
出動件数は初年度で100件、次年度は200件を越え、筑後川の河川敷にヘリポートを設置し、パイロットや整備士などスタッフはキャンピングカーで待機して出動していました。
最初の出動(宗像)は、今でも覚えています。
ダンプカーの運転席、キャビンを上げてエンジンルームの整備をしていたところへキャビンが落ちてきて、肋骨骨折に加え、耳朶も大きく後ろへめくれてほとんど落ちかけていました。
しかし、一命をとりとめられ、形成外科の先生方の尽力で耳もきれいになり、現在は好きなゴルフを楽しんでいらっしゃいます。
初めての出動で、患者さんの命が救われたことは、本当に良かったと思っています。
その後、平成15年に、大学のグラウンド内に「格納庫」付きヘリポートを設置して、平成19年には全国で初めて高速道路本線上着陸マニュアルを作成して高速道路本線上への着陸を実現しました。
そして同年には航空医療学会での実績などによりドクターヘリの法律が施行され、日本各地へ年間3〜4機のペースで配備が広がっていったのもその頃です。
平成22年には、屋上に「格納庫」と「給油装置」を備えた本邦初の屋上ヘリポートが完成し、現在へ至ります。

九州全域へ広げる「輪」

近年は、年間400件以上、多いときは1日4〜5件の出動要請があります。
要請先は圧倒的に県内が多い一方、2 位が佐賀県、3 位は大分県です。
半径10キロメートル圏内なら救急車で間に合いますが、それ以上の場合には、ドクターヘリの出動によって救命率が格段に上がります。
以前、調査研究で宮崎の椎葉村や鹿児島の奄美大島を訪れた際、「こんなところだから、ダメでも(間に合わなくても)しょうがない」と諦めている方が多くいらっしゃいました。
しかし、「ヘリがあるじゃないですか」と。
運航できるように体制を整え、大変喜ばれています。
九州では平成18年に長崎、平成23年に熊本、宮崎、大分の各県にドクターヘリが配備されました。
来年1月には佐賀県も加わり、九州の全県がドクターヘリを持つことになります。
課題となっている重複要請の対応や各県の相互乗り入れの実現について、全県一致で取り組み、進展を図るチャンスだと考えています。

さらに、未来への一歩

また、今後、運航時間を延長できればと思います。
飛行機は有視界飛行が定められており、現在は朝8時半から夕方(日没前30分)までが運航時間ですが、救急車の要請の多い19時、20時頃まで出動できるようにしたいのです。
報道や自衛隊のヘリは夜間でも飛べるのを参考に、定点飛行の可能性を含めて、関係機関と検討しています。
さらに、福岡にはもう1機配備されても良いと思うのですが、ドクターヘリの運航には年間約2億1000万円の費用がかかり、各自治体と厚生労働省の折半による税金で支えられているため、なかなか進みません。
しかし、命が救われ、患者さんの「ありがとうございました」の声をいただくと、これはお金じゃないと思うのです。
もし、福岡県民全員で負担するなら、一人あたりの年間負担額は50円です。
増税ではなく、基金にしてもかまわないし、道を探したいと考えています。
とはいえ、日本でのドクターヘリ導入から今や35道府県に41機が配備され、これまでに全国で7万件、8万件と飛んでいる中で、「事故がひとつもない」というのは素晴らしいと思います。
ひとえに、消防、運航会社の方々のおかげです。
また、騒音等に対する近隣住民の方々の理解も、心からありがたく感じています。
今後も、連携を密に、「救える命をひとつでも多く救う」「後遺症をできうる限りに防ぐ」という使命を全うしていくべく、挑戦を続けたいと思います。

出動

出動~患者搬送までの流れ

※時間数値は平成24年度現場出動280件の平均時間(特異事例を除く)

【市町村消防本部通信指令室】

覚知

12分4秒

【久留米大学病院ドクターヘリ運航センター】

ホットラインで出動要請
廣川さん
ここがスタートなので、正確・迅速に!
入電から3分以内で離陸が目標。
CS(コミュニケーションスペシャリスト) 廣川 裕 さん
パイロット→無線を受けてヘリに走り、エンジンをかけてドクター・看護師を待つ
整備士→ヘリの内部電源ON、エンジンをスタートしたら外部電源を片付ける
医師、看護師→連絡を受け、救急専用に切り替わったエレベーターに乗り込み、ヘリポートへ走る
格納庫からみた
格納庫からみたヘリポート

3分53秒
離陸
CS→「離陸何分、現地着陸何分」と航空局へ報告。
無線でヘリにランディングポイント(行先)を伝え、消防から聞いたバイタルを伝える
パイロット→無線でどこへ向かうか確認
整備士→目的地をナビにセッティング、消防とのやりとり確認
医師、看護師→点滴の準備や救命方法の確認
予備
離陸後、眼下に広がる久留米の街

10分23秒
現場着陸
平湯さん
バイタルの安定を第一に、患者さん第一に!
フライトドクター/救急医 平湯 恒久 先生
合原さん
処置とあわせて、患者さんやご家族の不安が和らぐように声掛けを重視
フライトナース/ICU担当看護師 合原 則隆 さん
整備士→周囲の安全を確認して着陸をサポート
医師、看護師→医療器具がつまったバッグを背負い、現場へ走る。
救急車内で救命救急処置を施す
パイロット→ストレッチャーやヘリに積んだ医薬品等の運搬を手伝う
看護師、整備士→付添いのご家族の精神的ケアや連絡先の確認
ヘリ内部
人工呼吸器や心電図、電気的除細動器、吸引器、超音波診断装置や薬品、注射器などを搭載。

要請から
14分16秒
現場滞在時間
27分49秒
花田さん
安全運航!
時間に追われる一方、焦ると安全が疎かになるのでバランスが肝心。
パイロット 花田 勝則 さん
整備士→無線で状況を報告
CS→無線で高度救命センターへ連絡(例/「患者さんお迎えの人数増やして下さい」)
現場離陸

14分20秒
搬送先着
宮ノ原さん
ヘリの不具合ですべてが停止に。
日々綿密に点検を行います
整備士 宮ノ原 孝昭 さん
全員→ストレッチャーをエレベーターへ
整備士→医療用具の補充他、次の出動に備えた点検
高度救命救急センター
高度救命救急センター(1F/エレベーター直結)
給油
給油。「ヘリポート内にあるので非常に便利です」
要請から搬送先着まで56分25秒
(覚知~搬送先着は68分29秒)

◆取材協力 久留米大学病院

取材協力_外観
住 所/福岡県久留米市旭町67番地
T E L/0942-35-3311(代表)
院長/坂本 照夫
受付時間/8:30~17:00(診療科によって異なります)
休診日/土曜日、日曜日、祝祭日
年末年始(12月29日~1月3日)、お盆(8月15日)
H P/http://www.hosp.kurume-u.ac.jp/
診療科目/呼吸器・神経・膠原病内科、神経内科、消化器内科、心臓・血管内科、腎臓内科、内分泌代謝内科、血液・
腫瘍内科、精神神経科、小児科、外科、整形外科、形成外科・顎顔面外科、脳神経外科、小児外科、皮膚科、
泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、放射線科、麻酔科、歯科口腔医療センター
診療部/消化器病センター、循環器病センター、呼吸器病センター、 内科総合外来、乳腺外来・一般外科総合外来、画像診断センター、 放射線治療センター、RI施設臨床部門、臨床検査部、中央手術部、高度救命救急センター、集中治療部、リハビリテーション部、腎臓センター、病理部、集学治療センター、緩和ケアセンター、総合周産期母子医療センター、 アメニティセンター
他/薬剤部、看護部、中央滅菌材料部、栄養部、臨床工学センター、医療安全管理部、病院情報部、栄養治療部、医療連携センター、臨床研修管理センター、感染制御部、事務部
病棟/25病棟
許可病床/1094床(一般1041床・ 精神 53床)

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