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Off Time7月号 特集 葉祥明阿蘇高原絵本美術館

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広大な自然に抱かれ
自分と対話する心ゆたかな時間。
〜葉祥明阿蘇高原絵本美術館〜
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ブルービーがやってくるバジル。
水やりの道具も森の中にさりげなく溶け込ませて。
美術館の玄関には、絵本の主人公のワンちゃんが迎えてくれる。

阿蘇の山を美術館に

見渡す限りの広大な丘と青い空。
南阿蘇の高原に建つ建物は、熊本県出身の絵本作家・葉祥明さんの原画を中心に展示する美術館だ。
絵を鑑賞した後、丘に続く扉を開くと、甘く爽やかな草いきれの匂いと鳥のさえずりに包まれる。
遠くには、この丘のシンボルともいえるコブシの樹とベンチ。
最近では、NHK連続テレビ小説「アンと花子」のオープニングカットの丘と間違われることもあるとか。
館長は、葉祥明さんの弟である葉山祥鼎さん。
7人兄弟の6、7番目ということもあり、幼い頃から互いを敬い、助け合ってきたという。
葉山さんは美術館を作るにあたって約2万坪の山をたった一人で開墾し、葉祥明さんの絵本に出てくるメルヘンの世界をつくりあげた。
発端は約15年前。
当時、環境問題に関わっていた葉山さんは、子ども時代に遊んだ阿蘇の高原がリゾート開発にさらされていることを知った。
すぐさま村長に直訴したところ、美術館を建てて丘を守ったらどうだろうという方向になり、「結局、僕がやるという流れになっちゃった」。
これまでピーターラビットの故郷である英国や、赤毛のアンの故郷、カナダはプリンスエドワード島などに憧れて何度も通っていた葉山さん。
最初の3年は、なんでこんなことを始めてしまったのだろうと思い悩んだというが、これも天の計らいだったのかもしれない。

ブルービーとの出会い

10時の開館と共に訪れた来館者を、
「僕? ただの庭師です。
名前もあるんです、草刈まさお!」
と笑いの渦に巻き込む葉山さん。
毎朝5時から午前中いっぱい、この丘を整備するのが日課だ。
手伝いはいない、たった一人でコツコツと同じことを続けてきた。
「草を刈った痕跡も残さないようにするんですよ。
ここまでしないと人が見て感動するものは生まれません」。
刈った草を集めながら、「この道、いいでしょ?気に入っているんです」と陽に灼けた笑顔をうかべる葉山さん。
指差した先には、ゆるやかに蛇行する道が気持ちよくのびている。
「人生にまっすぐな道なんてないでしょう。
それに道は一本で終わりじゃない、二本あっても三本あってもいい、取捨選択ができるんです。
柔道や茶道なんて日本にはいろんな道があるけど、僕は本当の道を作っちゃった、ワクワクするよね」。
童話作家・エッセイストとしても活躍する葉山さんが自然に寄り添いながら、丹精込めてつくりあげた丘。
そこから、いくつもの物語が生まれた。
ブルービーが主人公の絵本は、ある青いミツバチとの出会いだった。
「蜂は黄色いものと思っていたからびっくりしました。
あるご夫婦が大切に育てたバジルを植えたら、この花にだけブルービーがやってくるようになった。
秋になって枯れるときは寂しいけど、また来年。
一年に一度の楽しみ」。
この丘に対して、ありがとうという謙虚な気持ちを忘れないようにしているという。
「一人で作業するのはなぜかって?
自分が描く絵のように仕上げたい、この丘は僕のキャンバスだと思うから」。

心のケアをする場所

来館者の中には、精神科医や小児科医、介護関係の医療従事者も実に多い。
「日頃、誰かのケアに追われている医療従事者の方々も、同じ人間。
たまには自然のなかでゆっくりする時間を作ってほしいですね」
と話す葉山さんがOffTime読者のために、とっておきの秘密の場所に案内してくださった。
細い山道を下ると、木の枝にブランコがひとつ。
子どもの頃を思い出しつつ、木の板に座って上を向くと、心地いい緑のシャワーが降り注ぐ。
「精神的に弱ってしまった子ども達を連れてくるんです。
ここでブランコに乗っているだけで、気持ちも落ちついてだんだん元気になっていく、それはある意味、薬や病院だけではできないことかもしれません。
大切なのは、自分の価値をもう一回見直すこと。
せっかく授かった命を生ききる、使いきる、出しきる、それを伝えたい」。
近頃では、親子で馬に乗るホースセラピーも企画しているとか。
「絵を観るだけではなくて自分自身を見つめられる、心の安らぎがいつでもある場所にしたい」から、休館日はなし。
「今の時代、自然との戯れがなさすぎて、生きていく上での座標軸が失われていく人が多い。
だから、たまには日常をリセットして、自分に還ることが必要。
心の窓が開けば、少しずつそよ風が入ってくるでしょう」。
これまでに600本の樹木を植えてきた。
なかでも 2002年生まれの菩提樹「デニー」は特別。
約15センチの苗木は育つまでに時間がかかったが、今では葉山さんの背丈を越えるほど元気。
「この子は、美術館の歴史を象徴する木。
これからは人生の持ち時間が少ない分、苗木より少し大きな木を植えるでしょうね。
ここにいると、ありとあらゆる生き物が一生懸命に生きていることがわかるんです。
野焼きで焼かれようが人間に踏まれようが。
レジャーランドは機械で遊ばせてもらうけど、自然の中に身をおけば、心の遊びを楽しめる。
この美術館では、そんな小さな幸せをいっぱい見つけられるんです」。
自然は、人間のルーツ。
この丘の上の小さな美術館を訪れたことで、素の自分に気づき、ありのままに生きていく勇気をもらった。
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誰もがやさしくなれるこの丘は、時に奇跡のような出会いをプレゼントしてくれる。
コブシの木の下で出会って結婚したふたりも多い。

美術館の一日

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道
庭掃除
ブランコ
ブルービーがやってくる夏。
7月下旬~9月初旬、唯一植えたアフリカンブルーバジルには、希少種であるルリモンハナバチ、通称ブルービー(青いミツバチ)がやってくる。

ミュージアムショップとカフェ

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ショップやカフェには、絵画の原画、キャラクターグッズ、ポストカード、絵本、詩集など愛らしいグッズが並ぶ。
特にブルービーのシリーズは、外国の絵本のように愛らしく洗練されていましたよ。
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絵画を鑑賞した後は、カフェでティータイム。
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ブルービーの帽子は、なんとスタッフの方の手編み!
初めてこの美術館を訪れた時に、その光景を見て「なんてあたたかい心のこもった美術館だろう」と感激した。

葉山館長にブルービーを描いてもらいました。

葉山さん
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葉山さんは何でもできる器用な人に見えるが、意外にも「どちらかというと不器用な方、生き方も」らしい。
何事も、あきらめないでコツコツ取り組むことが大切と語る。

葉祥明阿蘇高原絵本美術館

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A d d/熊本県南阿蘇村河陽5988-20
T e l/0967-67-2719
O p e n /10:00~17:00
料 金/大人450円、中高生250円、小学生150円
定休日/無 休
H P/http://www.yohshomei.com/museum_aso.html

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