妙心寺派 法雲山 如意輪禅寺 実践する 「禅のココロ」体験記
〜より良く生きるための心の小休止〜


Off Timeを愛読してくださる読者の方々にとって、2015年が実り多きものになりますように。
そんな願いを込めて向かったのは、住宅街にある禅寺「如意輪寺」。
こちらで心身を整え、浄める「精進料理」「座禅」「写経」を体験してきました。
和尚の椛島義徹さんによると、福岡の禅寺の祖「聖福寺」の東部寺院として建立された如意輪禅寺が門弟を受け入れたのは戦後のこと。
禅の修行は、「座禅」、掃除などの「作裟」、禅問答を指す「公案」の三本柱が基本。
「禅寺は敷居が高いというイメージがありますが、皆さまの日常に取り入れて実践していただきたいですね」。
椛島和尚が「おかげさま」という字について説明してくださいました。
「『かげ』という文字に『お』と『さま』がついておかげさま 。
本来見えない『かげ』に、おひさまを表す『お』と『さま』をつけて敬っている。
今、私たちがここにいるのは、ご先祖様や自然など目に見えないものに支えられ、生きているのではなく生かされているのですよという意味なんですね。
「四苦」とは、生、老、病、死。
常に苦悩がつきまとうのがこの世なわけですが、それをどうとらえるかを学ぶのも禅の役割です」。
禅には、『本来む無一物』という言葉があります。
「人は一人で何も持たず生まれ、死んでいきます。
ゼロなのです。
周囲の人に施しをしながら生きていきましょうと。
禅は、自分の心を鍛えなさい、百聞は一見に 如かずで自ら体験してみなさいという教え。
すべては実践なんです。自分が体験することによって人に話せるようになり、乗り越えられる。
あたりまえの平世から目線を変えると嫌なこと辛いことも楽しく思える。
気の持ちようなんです。
座禅は、心落ち着ける時間、心の小休止です。
頭の中を整理して無になるひとときを持ち、医療に従事される皆さまの毎日がより充実したものになればと思います」。
多忙な毎日を生きる私たちにとって、ひとときでも無心の境地を味わう、大切ですね。
皆さまも心と身体をリフレッシュできる禅体験、いかがですか?






座禅
まずは、座禅体験から。
スーツで参加したスタッフも若干一名いましたが、リラックスできる軽装が基本です。
座を組むときの呼吸は、 1分間に4〜5回、5秒間鼻から吸ったら、次は10秒間ほどかけて口からふーっと吐く。
この計15秒に気持ちを集中します。
「呼吸が整うと気持ちがすーっとなり、自然と心穏やかになっていく、それが座禅の境地、座禅の醍醐味です。
静かに座って、身体と呼吸と心を整えるつもりでやってください。
目は半眼で1メートル先を見つめます。
視野が狭くなれば雑念も入りにくくなるのです」。
息を吐く時、心の中でひとーつ、ふたーつと まで数えましょう。
座禅の最中、雑念が入って意識が乱れてきたなと思ったら、和尚さんが前を歩くときに合掌すると警策(けいさく)で肩を叩いてもらえます。
スタッフの金は、「叩いた後、 姿勢が整い、すーっときれいになりましたね。
ご自分でもお分かりになったでしょう!」と和尚からお褒めの言葉をいただき、まんざらでもない様子でした。




写経
次に、お釈迦様が説かれた経典を書写する写経にチャレンジ。
「日本書紀」に天武天皇の記事として、674(白鳳2)年に「書生を集めて一切経を川原寺において写さしむ」と記されています。
これがわが国最古の写経とか。
パソコン頼みの日常にあって、こうして筆をもち、一字一字に向き合うと、だんだん雑念が消え没頭していくのがわかります。
仕事、家庭、 将来……
いつも抱えている問題から離れ、心が無になっていくような。
自宅でもやってみようかなと。



精進料理
「いただきます!」。
座禅をやりきったあとのお楽しみは、和尚が心を込めて作ってくださった精進料理。
禅寺では、食事を作ること、食べることも修行のひとつ。
朱色の塗の器に盛られた白和えは、角切りにした「とらや」の羊羹の食感と甘みがポイント。
食材も すべて身のまわりで手に入るものを使用。
動物性タンパク質のかわりには、大豆グルテンで作った唐揚げを。
噛みごたえがあって最高でしたよ。
干し柿の中に長いもを入れて揚げたおかずのおいしさには、一同大興奮でした。
ていねいに作られた料理を一つひとつに感謝しながらゆっくり味わう。
野趣あふれる草の香りが嬉しい七草がゆがお腹にしみわたりました。




食事五観の偈
一つには、功の多少を計り、彼の来処を量る。
(この食物が食膳に運ばれるまでには、神仏のご加護と幾多の人々の労力によることを思って感謝いたします)
二つには、己が徳行の全欠をはかって供に応ず。
(わたくし共の徳行の足らざるに、この食物をいただくことを過分に思います)
三つには、心を防ぎ、過貧等を離るるを宗とす。
(この食物にむかって貧る心、厭う心を起こしません)
四つには、生に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
(この食物は、天地の生命を宿す良薬と心得て頂きます)
五つには、道業を成ぜんが為に、将にこの食をうくべし。
(この食物は、道行を成しとげ る為に頂くことを誓います)




如意輪寺
福岡市東区香椎駅東1-2-7
092-681-0172
西鉄香椎駅徒歩3分
※体験したい内容、ご希望の時間帯、料金などはお問合せの上、ご相談ください。

