OffTime8月号「私の休日」　医療法人山本外科医院理事長・院長　山本一清

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時を忘れ、夢中になって、
心晴れわたる至福の時間。子供時代からモノを組み立てるのは得意中の得意、と笑う山本先生。
「人生の様々な時期に出会い、惹かれ、楽しんできました」と語る
趣味の世界について、お話を伺いました。

少年時代と発明賞

昔から、ちょこちょこ作るのが好きなんですよ（笑）。今でも覚えているのは、中学三年生の時に、電気モーターを工夫して、バッテリーで動く扇風機を作ったら『これはいい発明だ』と県知事賞をいただいたこと。副賞として、70年前位の当時で一万円をもらって、先生が喜んで持って来てくれました。高校ではそのまま、物理部の中の無線部に入って、真空管のアンプなんかを作っていましたね。朝礼の時は、アンプの調整を全部やっていました。

「パソコンは、電源を入れて作動すれば大丈夫だから分かりやすい（笑）。飛行機づくりは、一時期やっていたけれど、飛ばす場所を探すのも大変だから『休業中』です」。

自然と遊んだ記憶

もっと小さい頃は、外で遊ぶのが好きでした。父が軍医で、小学校時代は中国の田舎にいたのです。山を走り回ったり、木の実を拾ったり…。春になると、花が一斉に咲くのがきれいでした。小学校へは乗合馬車で通うのですが、花をみると「停めて」と寄り道してね。中国人は気質がゆっくりで急かさないから、両手いっぱい摘んでいました。夏は、魚釣りに夢中だったのも覚えています。池や湖に魚がたくさんいて、あっというまにバケツ一杯！終戦後、福岡へ帰ると都会なので面食らいました。

カメラ片手に外へ

高校時代はギターにも惹かれましたが、すぐに父に取り上げられ、押入れへ（笑）。母方が音楽一家だったので、その道へ行かないように考えたのでしょう。代わりに、珍しく買ってくれたのがカメラです。おかげで、花や風景はもちろん、旅先で写真を撮るのが趣味の一つになりました。時間をみつけては、ヨーロッパへも何度か行きましたが、博物館も美術館も街並みも素晴らしいので、毎回、何百枚と撮りためてしまいます。

米軍放送の思い出

音楽への興味でいえば、叔父がバイオリン、叔母がピアノを弾いていた影響でクラシックを聴いていましたね。また、手製のラジオで聴いた、当時板付にあった米軍放送から流れるジャズなどの新しい音楽にも心惹かれました。英語も初めはわからないのですが、よくよく聞くうちに、まずは天気予報がわかるようになり、早口のニュースも聞き取れるようになって…。あれはのちのち大いに役に立ちました。今も、英語は耳で聞けばわかります。

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　「そうそう、小学校で覚えた中国語も話せるんですよ。患者さんで中国のかたがいらした時、『あなたの発音は正しいですね』と褒められました」と笑う山本先生。スポーツもお好きだそうで「勤務医時代に、先輩に無理やり一式買わされて」始められたゴルフ歴は50年以上、今も仲間が見つかれば、たまにラウンドされるのだとか。「10年位前には、博多区医師会の野球部の監督もやっていました。偉そうに座ってみていただけですが（笑）。こうしてお話すると、あまり趣味はないかと思っていましたが、いや、なかなか楽しんできましたね」。ほがらかに笑われる先生に、思わず惹き込まれた取材陣でした。